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「残りはこれだけですね。どうするんですか?」

「フライパンとか作れそうじゃない?」

「ミスリルのフライパンですか、火が通りやすそうですね。」

「もったいないだろ、流石に。これはな…、こうやって…、こうじゃ!」

残ったミスリルを加工していく。

薄くのばして行き、楕円形のスケボーみたいな形にする。

そして効果を付け足して、完成だ。

「…なんですか?これ。」

「俺専用の乗り物ってとこだな。こうやってな、…ほら。」

床に出来上がった物を置いてその上に立つ。

そのまま魔力を込めて、宙に浮かせる。

「はぁ、楽しそうですね。」

「ちょっと乗りたいかも!」

「それは魔力で浮いてるのですか?」

「三人共別々な反応をありがとう。俺専用の乗り物ってとこだな。単独行動の時とかに使えるのが欲しかったし、それにこれ多分結構早いぞ。俺の魔力使うんだからな。」

そう言って窓の方までそのまま行き、窓を開ける。

若干バランスが取りづらいが足を無魔法で固定すれば問題ない。

動力には風魔法、バランスに無魔法とまさに俺にしか扱えない、俺専用機。

このまま外に飛び出そうと思ったが、誰が見てるかわからないのでやめておいた。

これ以上目立ちたくはないしな。

「あれ?いかないのですか?」

「まだ日の光があるしな。目立たない夜にでも飛び回って練習するわ。」

出来上がったものを宝物庫にしまう。…フライングボード。略してフラボーだな。完璧。

「これで俺の装備がどんどん出来上がった訳だ。フィンネルに阿修羅丸にフラボー、それに弓か。…作りすぎか?」

「やっぱりネーミングセンスないですね。」

「あぁ、別な意味で変なのに買われてしまった…。」

「ご主人様は本当に色々な事が出来るんですね…。」

「我はいいネーミングセンスだと思いますが…。」

シェリーが貶して、ルクが頭を抱え、エルが感心して、銀が褒める。よく出来たパーティーだ。


そのまま雑談に移行して、エル達が今までどうやって生きてきたのかを聞いたりしていた。

少し前までは大きなとこでメイドの仕事をしていたのだがそこの生活が苦しくなって解雇され、その後あの商会で買い手が付きそうで付かない事が多々あったらしい。

この辺は俺の予想通りだったな。まぁ、あれじゃあな。

今日はまだ来たばっかりなので休んでもらうとして、明日からは城の手伝い。

その予定で行くとして、仕事になれるまで一ヶ月くらいか。

それからエンちゃん解放作戦を開始するとしようか。

「さて、夕食がまだだったし。食いに行くか。」

「私達もいいの?」

「食事は大勢で食べた方がいいしな、当たり前だろ。」

「…いいのでしょうか?私達は…。」

「あぁ、奴隷つっても普通の人と同じように接するから。身の回りの事色々してもらうけど、食事とかは俺達と全部一緒な。」

「それはありがたいわね!」

「そこまでしていただけるなんて…。」

「まぁ、家柄って言うか。俺の実家にもメイドがいたんだけど。俺達と同じように生活してたしな。ごはんも一緒だし、何か決める時だって意見聞いたりしてたし。」

「確かに、ミューさんも色々とメイドにしてはおかしかったですね。」

「やたらと俺の事持ち上げたりしてたしな。まぁ、いくか。」

部屋から出て、ぞろぞろと食堂に向かう。来るときは混乱していたので見る余裕なんてなかったが、今は珍しいのかエルとルクは周りをキョロキョロと眺めてる。

「そうだな、エルは食事の手伝い。ルクは家事の手伝いをしてもらったほうがいいんかな?」

「私家事なんて出来ないよ?」

「出来る様にするんだよ、一応メイドだからな。」

「えー、めんどくさっ…。」

「ルクの分まで私が頑張りますので…。」

「こいつにも仕事はさせんとな。いつまでもエルに頼ってちゃいかんしな。」

「それもそうだけど…。」

渋々ながら頷くルク、こいつは今までみたいにエルに付きっきりってわけにもいかんし、少しは努力してもらおう。

食堂の扉を開けると、ちょうどレイも夕食を食べるとこだったのか椅子に座ってメイドに話しかけていた。

「それと、今日は…、あら。リード…。そちらの方々は?」

こっちに気がついてレイが視線を向けるが何故かすぐに険しい顔になる。

「今日から俺が雇ったメイド達。はい、自己紹介。」

「エルと申します。ご主人様に買っていただいた、メイドです。」

「ルクです。…もしかして?」

「…。レイニーです、ティスカ公の娘ですわ。…ちょっとリード。」

「わー!やっぱり姫様なんだ!噂は色々聞いてます!」

「ルク、失礼ですよ。」

「なんだよ、全く…。」

自己紹介の途中なのにレイがこちらにこいと手で俺を呼ぶ。

「なにさ。」

「なんですの、あの子達は。」

「俺のメイドだけど?」

「二人も?」

「事情があってな。」

「事情って…、リードは色々と配慮にかけてると言いますか…、節操がないと言うか…。」

「あん?しょうがないだろ、ちょうどいいのがエル達しかいなかったんだから。」

「それでもです!…この事をあの…、フランって子は知ってるんですの?」

「なんでフランが出てくるんだよ…。まだ言ってないけど?」

「…。色々と面倒な事になりそうですわね。まぁいいですわ。」

「なんか色々と引っかかる言い方だな。」

それで話は済んだのかレイが向こうに行けと手で合図する。

「…ご主人様はレイニー様とも仲がよろしいのですか?」

「それなりに、ですけどね。マスターは色々と手が早いから。」

「そこ!誤解を招く言い方するのはやめなさい。」

「そうですわ!リードとはまだそんな関係じゃないですわ!」

「ふーん、まだ、ですか。」

「…、今のは少しいい間違えただけですわ。」

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