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にほんめっ!

あの後ちゃんと回収してくれたフィンネルをいじる。

弓で打てば威力は申し分ないだろうけど投げたりするとちょっと威力不足だな。

3本あるし一本一本違う形にして、オーソドックスな矢、トゲトゲついた矢、重りのついた分銅みたいな矢って感じで分けても面白そうだな。

あれこれ考えながらヒュンヒュンフィンネル飛ばしてたら人の来る気配がした。案外早かったな、10分くらいか?

扉がバタンと開いて小太りなおっさんが顔を出した。

「いやー、遅れてすいません!私がゴルスクと言う者です、はい。」

「どうも、私はリードと言います。」

「リードさんですね、はい。マーカスさんから直々の紹介だと伺ってますが、今日はどのようなご用件でいらっしゃいましたか?」

流石商会のトップ、俺の姿を見てもまったく顔に出さずにきちんと対応してくれる。まぁ、マーカスの紹介文が効いたみたいだけど。

ゴルスクは話しながら椅子に座りメイドにお茶の用意をさせる。この辺は一連の流れが出来てるので早い、出されたお茶を飲みながら一言切り出す。

「実はですね、今回奴隷が欲しいと思いまして。そこでマーカスさんに相談した所この商会が話に上がりまして。」

「なんと、これはありがたいです、はい。ティスカ公国にはお世話になっております。それでしたらどのような奴隷がご入用ですかな?うちでは多くの奴隷を扱っておりまして、戦闘用、給仕用、性処理用など多くの種類があります、はい。」

「給仕用になるのかな?出来るだけ料理の得意なのがいいです、後旅にも出るのでその辺を熟知してる人がいいです。」

「なるほど、少々お待ちを。…名簿を。」

「かしこまりました。」

やっぱり性処理用の奴隷とかいるんだとか思いながら丁寧に返事を返していく。

ゴルスクはメイドから名簿らしい紙を眺めて顎のお肉を触りながらフンフンうなづいてる。

「そうですね、はい。今すぐに欲しいとおっしゃるのなら実質2…いや3人ですね。あと少々特殊ですがまだいますが、どうなさいますか?」

「ふむ…、今すぐ欲しい訳でもないですが、その奴隷達を見せてもらう事って出来ますかね?」

「もちろんでございます、はい。」

「あっ、先に訊いておきたいのですがお金の方はどのくらいかかるものなんですか?」

ここは正直に訊いておくべきだろう。いざ買うって時にお金が足りませんでしたなんてなったら終わりだ。

聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥って言うしな。

「うちの商会ですとどれも一級の者を取り揃えておりますので、少々値が張りますが大体金貨20枚から30枚程でしょうか。あくまで給仕の場合ですが、他のものとなると少々違ってまいります、はい。」

嫌な顔せずに答えてくれる、ありがたい。よし、足りるな問題ない。

「ありがとうございます。」

「いえいえ、それでは見ていかれますか?」

「お願いしてもいいですか?」

「承知いたしました。…給仕用の奴隷をここに。」

「かしこまりました。」

ゴルスクがメイドに用意を頼むとサッとメイドが扉をあけて出て行った。ここに連れてきてくれるのか、ありがたい。

「少々お待ちください。今連れてきますので。」

「わかりました。…そういえばここはどのような品物を扱っているのですか?奴隷だけですか?」

「いえいえ、当商会では古今東西なんでもござれ、色々な品物を取り扱ってございます。」

「これは失礼を。…ついでに鉱物の類が欲しいのですが、大丈夫でしょうか?」

「もちろんでございます!どのような物をお探しで?」

「そうですね。金色の髪によく似合うような物がいいんですが…。」

「それでしたら…、髪飾りなら当商会でも色々な物を用意しておりますが?」

「いえ、出来ればこちらで加工して送りたいのです。」

「…素晴らしい!」

暇つぶしにと会話を仕掛けてみたらゴルスクがいきなり顔をズイッとこちらに伸ばして褒められた。

「今時は皆出来上がった物ばかり求める!原材料から吟味して作り出してそれをお贈りになるとは!…失礼しました、はい。」

急に熱くなったように語り出し、そして我に返って椅子に座りなおすゴルスク。

「いえいえ、こちらの意思が伝わって嬉しく思います。」

少しびっくりしたけど適当に返事を返す。

「こちらとしても最高級の物を用意させてもらいますので、はい。」

「あ、あんまり高いとちょっと…。」

「ご安心を、値段と品質は比例しておりますが。安いもの=品質が悪い、という物でもありませんので。…それで、金色に合う鉱石ですね。かしこまりました。こちらで色々用意させてもらいます。」

「安心しました。お願いします。」

そこから少し色々話をさせてもらった。

本当に幅広く商売をしているようで、家の修繕道具からそれこそ効果付きの武器防具、奴隷、派遣社員っぽいものまで色々だ。

先ほどの話の熱くなった話をぶり返してみたら、今は出来上がった物ばかり求めて来る客が多くて原材料から吟味していく人は少ないんだとかなんとか。

ゴルスク曰く、こちらでも最高級の作品を取り揃えてるが愛情や情熱などを込めた品物には勝てないらしい。いい話をするなーっと感心してたら。

「失礼します。連れてまいりました。」

「おぉ、話に夢中になってしまいました、はい。」

「いえいえ、こちらも興味深い話が聞けてなによりでした。」

「それならよかったです。む…?」

メイドが扉をノックして来た事を伝える。そして扉を開けて、中に入ってくる。あとに続いて奴隷がぞろぞろと中に入ってくる。身なりは綺麗にしているので扱いは悪くないのだろう。男が1人に女が2人、そして俺よりちょっと上くらいの女の子が1人。あれ?数が多くないか?

ゴルスクが席を達メイドの方に向かうので俺も席を立って奴隷達の前にいく。

ゴルスクが少し顔を顰める、そしてメイドに何やら話しかける。

「何故あれを連れてきた?」

「給仕の奴隷をおっしゃいましたので…。」

「ふむ…、まぁ仕方あるまい。…いやはや、失礼しました。」

「何か問題でもありましたか?」

「少し予定外の事がありましたが、大丈夫です、はい。どうでしょうか?何かお目にかかる者がいらっしゃいましたらなんなりと。」

その言葉を皮切りに奴隷達がピシッと見構える。それを順番に神眼見ていく。

最初の男はっと、…料理はスキルないんだっけ?わからんけどこいつはないな。年齢も30手前だし、あんまり宜しくはないな。

魔法とか戦闘能力は少しあるけどそれだけだな。

なによりミューにあった給仕のスキルがない。城のメイドさん達暇つぶしに神眼で覗いた事あったけどほとんどが習得してたからな。

パスだな、次の女はっと、…なんだババアか、30代後半ってことは旅につれていくのは少々辛いものがあるな。

あれ?でも料理スキルがあるし給仕もあるな。料理3ってことはそれなりって感じか、店が出せますよレベルか?一応魔法も使えそうだな。

しかし、年齢でパス、次の女はっと、…年齢は24、料理スキル2の給仕持ちか。これはいい感じか?ただ一つ、外見を除けば…。それに魔法も使えなさそうだ。

最後の女の子か。この子イレギュラーっぽいけどとりあえずはっと、…お?料理1に給仕持ち、それに魔法にも適性があるっぽいな、水と火が少し使えそうだ。年齢は12歳俺より少し年上だな。旅にも耐えられそうだしこの子かな?ただな、目が死んでるんだよな。

「…あの最後の子は?」

「あー、そうですね…。」

やっぱりイレギュラーなのかゴルスクがあまりよくない反応をする。その子は一応お声がかかってるのにこちらを見向きもしないし、目も死んだままだ。

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