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そこから一週間はティスカ公とクラウ夫人は大変だったみたいだ。

ついでにレイも巻き込まれてドタバタしてたが俺達には関係のない話だった。

いや、関係はあるんだろうが如何せん俺らは部外者だし。尚且つ、俺が倒したんだぜ?ワイルドだろ?とか言えないし。

各国と連絡を取り合って対魔族の作戦を立ててるみたいだった。他の国にもちらほらと魔族が出てきてるようだ。

俺達はというと。


「金だ…、これは大金だ…。」

目の前の金貨とミスリルの山を見てそう呟く。魔族の魔石と迷宮に潜る報酬がいっぺんに俺の懐に入ってきた。

ミスリルが大人の拳4つ分くらいの山、金貨はなんと80枚。なかなか買い手がつかなくて苦労したそうだがどこかのマニアが買ってったらしい、世界は広い。

「…次はブレスレットが欲しいなー。」

「これは…、主様。我もあのシュミレット商会の最高級のお肉が食べたいのですが…。」

「…わからんでもない。これだけの大金を目の前にすると夢が広がるな。」

流石にこれは初めてだ。

さっきまでテンション上げて金貨でピラミッド作ってたしな。テーブルに出来る金貨のピラミッド、成金かよ。

「だがな!このお金の使い道は既に決めてあるのだ!」

「え?珍しいですね。」

「何か大きな買い物でもするんですか?」

「んー、銀の願いに近いっちゃあ、近いな。」

「おぉ!」

銀が目を輝かせる。逆にシェリーが露骨に残念そうな顔をする。…普段はあんまりお金で云々はないことだけど、これだけの大金だとな。

シェリーの髪飾り2個分以上あるしな。…それもおかしい話だ。

「それで何買うんですか?装備の類ですか?」

「まぁ、それも考えてたけどな。俺当たらないし、後回しでいいだろ。」

「そうですね。我々の誰一人として防具の類はつけてませんからね、主様もいれて。」

「銀はともかく、シェリーにはドレスとかワンピースのが似合ってるしな。」

「まぁ、そうですね。」

顔色一つ変えずにそう言い放つシェリーさんがたくましい。

「それで何買うかって話なんだが、奴隷を買おうと思う!」

「…マスター、性欲が余ってるなら私が…。」

「主様も年頃ですもんね。」

「ちゃうわ!!迷宮でも痛感したんだけどさ、俺らの中で料理作れる人いないだろ?旅するうえでそれは致命的だと思うんだ。」

旅ってことは野宿も当然するだろう。

ここに来るときは簡単なものをマーカス達が作ってくれてたが、俺達はそれすら出来ない。

毎回携帯食料で過ごすとかもう旅とかやめてトラベルワープで街から街に飛んでいくってのもひとつの手だが味気がなさすぎる。

そこで考えたのがメイド、つまり奴隷を雇うってことだ。うちにもミューがいるし、ここのメイドを見てても思うのだが、相当使える。

戦闘は任せろな俺達と家事は任せろのメイドが合わさったら素敵やん?

「あー、なるほど。確かに私達はそっち方面には疎いですね。」

「せやろ?今から覚えていくってのも一つの手だが、それなら料理が得意で家事も出来る奴隷を雇うって話に行き着いたんだ。」

「食事は大事ですからね、主様の意見に賛成です。」

「まぁ、私も賛成ですが…。」

少し不安そうなシェリーの声。

「まぁ、大丈夫だろ。シェリーもミュー知ってるからわかるだろ、あの有用性が。」

「そうじゃないんですけど…。まぁ、今更ですよね。私は大丈夫です。」

そう言ったが少し様子がおかしい。最近こんな感じだ。どこか上の空っていうか、考え込んでるのが多いって言うか。

「…シェリーとのデートの約束もまだ果たしてないしな。ちゃっちゃっと買ってくるよ。」

「…覚えてたんですね。てっきり忘れてたと思ってました。」

「約束は守るからな。」

シェリーの顔が明るくなった。うん、やっぱ笑顔が一番だな。

「それにこいつも加工しなきゃならないしな。ティスカ公達程じゃないけど忙しくなりそうだな。」

ミスリルの塊をポンポンと叩きながらそう言う。もう作る武器は決めてある。

ちょっと他の材料を買って鍛冶ればいいだけだ。それは奴隷買うついでに買えばいいだろう。

「それじゃあ、行ってくるわ。…ついてくる?」

「そうしたいのは山々なんですが、ティスカ公に呼ばれてるんですよ。」

「あぁ、そういえばそうだったな。大変だな。」

「一応迷宮に魔法使いとして潜りましたからね…、本来はマスターの役目なんですけど。」

「俺が公式の場に出るわけにもイカンがな。銀は?」

「我が行っても役には立ちませんので、いつも通り散歩してきます。」

「そうか、それじゃあ一人か。」

「まともな人でお願いしますよ。」

「そりゃ、俺みたいにまともな人連れてくるって。」

「そんな人いるわけないじゃないですか、マスター並の変人なんて。」

「せやな。すぐに買えるわけでもないだろうし、今日は下見のつもりで行ってくるからそんなに遅くはならんと思う。いってくるわ。」

昼を回ったくらいの時間なので遅くても夕方には帰れるだろう。…奴隷ってどこに売ってるんだろう。マーカス辺りに聞くのが一番っぽいな。なんだかんだ言ってあの人事務仕事凄いやってるしそっち方面に詳しそうだ。

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