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にほんめっ!

「リード!!」

ティスカ公が叫ぶ。

「チィ!」

咄嗟に魔法遮断の効果を広げる。誰だよ、転送石の近くでは魔物に襲われないって言った奴はよ!

これで消え…ない!?目の前に火の玉が迫る。

「なに!?伏せろ!」

慌てて皆に警告しする。イチかバチか風魔法で威力を相殺しようと試みる。

「きゃああああああ。」

「レイ!?大丈夫!?」

「ぐぅ…。くっそ!」

「大丈夫か皆!?」

「マスター!?無事ですか?」

「主様、何かいます。」

完全に遅すぎた。魔法遮断で消せなかったのと転送石の近くには魔物がいないってことで油断しきっていた。

相殺しきれずに爆発、火の玉のかけらがこちらに降り注ぐ。幸いにも俺と銀、シェリーは自分の身を守ることに成功しているが。

「レイ!しっかりして!」

「くっそ、やられた!」

クラウ夫人は比較的に軽傷だ。ティスカ公も直撃を受けていたがダメージは少ないみたいだ。問題はレイだ。

直撃を2、3発くらったようだ。

少し吹き飛ばされてぐったりと倒れている。腕が変な方向に曲がっていて、お腹が少し抉れている。

「ひゃっはっはー、見てみろよおい!ほぼ壊滅してるぜ!!でもおかしいなぁ、急に爆発したように見えたんだがなぁ。」

「きっと最後の抵抗ってやつですよ!流石グラン様の火球は凄いですね!」

「フン…。」

目の前に異形な三人組。いや一匹は竜だ。

下品な笑い方したほうは全身が筋肉で出来ているような体格、加えて大きな斧を担いでる。

太鼓持ちしてる方は小太りで醜い顔、手には何ももっておらず竜を褒め称える様に騒いでる。

そしてデカイ竜、元の姿の銀よりもデカい。全身が真っ黒でこちらを睨むように首を持ち上げている。

「魔族…、やはりあの噂は…。」

ティスカ公がそんなことを呟いたが俺の耳にはもう入ってなかった。


「シェリー、レイの治療を頼んだ。相当やばい。さっきから送ってるが俺はあいつら殺すのに集中するからそっちは頼んだ。」

「マスター?」

「さっさとやれ。銀、お前は竜を殺せ。ブレスでまた狙われたら厄介だ。早急に首を落とせ。」

「ハッ。」

腰から剣を抜き取り、宝物庫からも木の剣を取り出しそれぞれ右手、左手に構える。

「おいおい、あのガキなんかやるつもりだぜ?ひゃはは、こいつはおもしれえな!」

「馬鹿ですねぇ、さっきの見て向かってくるなんて!こっちには中級魔族のキューラ様もいるのに!」

「油断するな、何かおかしいぞ。」

銀が疾走する。それに合わせて俺も走り出す。なりふり構ってはいられない。全力で駆け出す。

三人組までは大体200m、半分過ぎたとこで銀が元の姿に戻る。

「なんだぁ!?」

「あれはバトルウルフ!?」

「やはりな!俺が相手をしよう!」

竜が起き上がり銀を迎え撃つように前に出る。俺は三人の注意がそれた隙を見逃さない。

自分の足元に風魔法、すぐにキャンセルし風圧だけを残す。それに乗るようにして加速。それを繰り返す。

「あぁん!?」

「ひぃ!?」

どんどん加速してく、足に違和感を覚えるが関係ない。そのままの速度でまずは醜い顔の奴を殺すべく突き進む。

速度の乗った一撃を醜い奴の頭上からくらわせる。完全に真っ二つとはいかずに体の半分まで剣がめり込み、バキンと音を立てて剣が折れた。ついで腕に激痛。

「…あ…なん…。」

「はぁ!?畜生なんだってんだ!」

すぐさま折れた剣を捨て、木剣を右手に持ち替える。

念の為に至近距離での【メテオシャワー】で醜い顔の奴を潰す。流石にもう生きてはいないだろう。

「くそが!」

筋肉が斧で大振りな横薙ぎをこちらに放つ、落ち着いてそれをしゃがんで躱す。

思いっきり肩に向かって木剣を振るってみたが弾かれる。硬いな。そして腕がしびれてきた。

「はっ!脅かしやがって!そんな剣じゃ俺には通用しねぇ…よっと!」

今度は器用に斧を操り、小ぶりな連撃を放ってくる。なんとかそれを受け流し、躱しながら捌く。

「どうしたぁ!?さっきの勢いはどこいったんだよ!ほらほらぁ!!」

こちらに近づかれないように斧を器用に振るう。

「そうだな。…【とまれ】!!!」

「がっ!??」

声に魔力を込めて、歌うように叫ぶ。一瞬だが効果はあったようでビタっと筋肉の体が止まる。

専用の鞘からフィンネルを取り出し、投擲武器のように顔面に投げ込む。狙いは目。

「くっ…!?ひゃっはっは、避けたぜ?次は何してくれるんガハッ!??」

狙いは正確だったが硬直から解けた筋肉によけられる。しかし、一度避けた事で油断してくれたのでフィンネルを呼び戻し、体を突き刺す様に操作する。

案の定、筋肉によって途中で止まってしまうがいい。サッと木剣に魔力を込める。纏わせるのは氷。


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