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それからは方法を変えた。

まずはひたすら気配が近いやつから弓で頭を吹き飛ばす。

ゴーレムを見つけたらその気配の性質を覚える。

その後さっきと同じように手足をもいで倒す。

その後はその気配と同じような気配を探ってゴーレムを見つける。

最初からこうすればよかったのだ。

大雑把にも程があるぞ、俺。


屋根から屋根に飛び移りながらゴーレムの場所まで一直線に文字通り飛んでいく。

足場がない所は無魔法で作り出し、風魔法で体を飛ばしながら。

さながら夜の街を疾走するヒーローだな。

大体、30匹くらいだろうか、なかなか狩ってると思うが鉄のドロップは2つ。

そろそろ戻ろうと思うがこれだとナイフが二つくらいしか作れないな。

「…あいつをラストにするか。」

ちょうど、家の間にゴーレムを見つける。

空中で止まり、弓で狙いを定める。

シュッっと足に矢を放つ、続いてもう片方の足にも矢を連続して放つ。

ここからだと音は聞こえないが、ゴーレムの足がバラバラと右足、左足と順番にはじけ飛ぶ。

さらに胴体に向かって3発の矢を放つ、これでおしまいだろう。

着弾を待たずにゴーレムの方に向かう。大体の感覚でこれで一セットで倒せることがわかった。

近くに行くと既に光となってゴーレムが消えかかってる。

しばらく待つ…が、ドロップはなし。

「しゃあねぇな、最後に落ちて欲しかったんだが。…まぁ、銀に期待しておこう。」

八つ当たりの様にゴーレムの崩れた音を聞いて近づいてくる魔物を足蹴にして宙に舞う。

銀に戻る様に念喋で伝えて、そのまま転送石の方へとぴょんぴょんと跳んでもどることにした。


「あー、帰ったけど。…あれ?」

「おー、帰ったか。シェリー達は今水浴び行ってるぞ。」

「あぁ、そうなんだ。」

帰ってきたらつまらなそうにティスカ公だけが簡易ベッドの上で剣の手入れをしていた。

「ちょっと、意外だな。ティスカ公もそういうことするんだな。」

「あぁん?当たりめぇだろ。自分の命預ける武器だぞ?自分で手入れしなくてどうすんだよ。」

「ごもっともでした。」

権力持ってる人ってそういうのお付きの人とかに任せると思ってたけど。まぁ、ティスカ公はそうじゃなくちゃな。

そんな事を思ってたら、ズシンと音を立てて銀が戻ってきた。

「ただいま戻りました、主様。」

「おー、おかえり。…して、首尾はどうだった?」

「そこにあるので全部です、あまり採れなかったですね…。」

そういって机の上に置いてある鉱物の塊を顎で示す。…3つか。

「俺より多いな。…んじゃちゃっちゃとやっちゃいますか。」

「待て待て、おかしいと思ってたがやっぱりそれ鉄か。どれだけゴーレム倒してんだよ…。」

俺が持ってる鉄を机に置くとティスカ公がベッドから飛び降りてこちらに寄ってくる。

「え?俺は大体30匹くらいだけど。…銀は?」

「どうでしょう…、我もそのくらいだとは思いますが…。」

「この短時間で30匹かよ…。いや、それよりも鉄はこんなに普通落ないぞ。」

「え?そうなの?」

「そんなポンポン落ちてたら供給過多になるだろ!やっぱおかしいわお前ら。」

「褒め言葉として受け取っとく。」

ティスカ公が椅子に座って鉄をころころと手で転がす。

ふむ、俺らのドロップが異常なだけなのか。まぁいいか。

「ほいほい、んじゃ錬金しちゃうねー。」

そう言いながらちゃっちゃと鉱物を鉄に変える。

「一瞬かよ。まぁそうだよな。…んでこの鉄どうすんだ?」

「どうしようか。考えたんだけど、あまりにも選択肢が多すぎてな。」

出来上がった人の拳くらいの鉄の塊が五つ。剣を作ろうと思えば作れる量だとは思う。

だがそれだけで終わってしまう量でもある。

「主様また何か作るんですが?」

「作ろうと思ってるんだけどなぁ。」

「お前の好きな様に作ればいいじゃん。」

「まぁ、そうするんだけどさ。」

とりあえずレイとの訓練でも使ってる木片と弓矢一式を宝物庫から取り出す。

「まずは今回、ゴーレムで苦戦したので矢を改良しようと思う。」

「あー、あいつら硬いもんな。…木の弓と矢で倒すのは無理があるからな?」

「一応倒せたんだけど、本数がかかるうえに装備の効果によるダメージが決め手だったからな。もうちょい威力上げないとな。」

そう言いながら鉄を矢尻に変えていく。大体10個くらいでいいか。これだけで一個の半分使うのか…。

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