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「まぁ、紹介されたり歌歌ったり?」

ここで嘘ついてもしょうがないので本当の事を言う。

「えー!?すごいすごい、どんな歌?それって凄い事じゃないの?なんでそんなとこで歌えるの?もしかしっ痛っ!?」

爺にげんこつくらってなかったらまだまだ質問されてそうだな。

「お嬢の事はほっといてな、まぁお前が使えそうな奴ってことがわかった。一応人質として置いといてやるよ。」

「えー、しょうがない。帰るか。」

「…この状態で何言ってんだ?お前状況わかってんのか…、おい。」

ヒューイが手に持ったナイフをこちらに近づけながら脅してくる。

「いやー、やっぱり興味本位でくるもんじゃないね。…でもやめられないんだろうなー。」

「こいつお嬢と同じ系統か?」

失礼な、あれと一緒は本当にやめてくれ。

「そのナイフって大事なものですか?」

「あん?…別にこんなんそこらへんで売ってるやつだ。」

ヒューイはめんどくさそうに答えてくれる、なんだかんだ言っていい人なのか?…ハピと一緒にいるくらいだからいい人か。

それでもナイフを顔の前に持っていくるのはいただけないな。

「それはよかった…。あっ!?何やってんだよハピ!?」

突然大声をあげてハピを咎める。皆が一斉にハピの方を向く。

「え?僕?何もしてないよ!?本当だよ!?」

ハピが頭をブンブン振りながら手をあげて何もやってないアピールをする。

その隙にナイフに少し触れて火魔法発動。鉄のナイフの先を溶かす、そして気配を消し水魔法と風魔法を使い一気に霧を作り出す。

「えっ!?なにこれ!?」

「落ち着けっ!?、…チッ、ナイフを溶かされた!!あいつはどこいった!?」

「こっちには来てないと思うよ!」

「来てない!」

「…やっぱり厄介事じゃったか。」

ドタバタと俺を探す音が聞こえる。そんな中俺は普通に部屋の隅にいた。扉開けたらバレるしな。

霧を消し去り、念喋で全員に話しかける。

(じゃあ、俺はもういきますんで。ハピ、もう城に来んなよ。後、もう家の外にいるんで追っかけても無駄ですんで。)

「なんだこれ!?頭の中に声が聞こえるだと!?」

「これは…、念喋か!?」

「ちくしょう!外か!?行くぞ、メル!」

「行く!」

「…すっごい、なんなのこれ、こんなの初めてだらけ!!!」

扉を開けてロイとメルが外に飛び出す、ヒューイは椅子に座ってナイフをマジマジと見つめてるし、爺は座ったまま頭抱えてる。

ハピだけはテンションが上がってんのか飛び跳ねたりして状況を楽しんでる。部屋の隅から眺めてるけどこれは楽しいな。

そして悠々と開け放たれた扉から外に出て行く、4人の位置は把握してるし俺の位置がバレることもないだろう。

もう会うこともねぇな、じゃあな。


外に出てふと思った。帰り道わかんねぇ。

…しょうがない。無魔法で足場を作り屋根の上へと駆け上がる、城の方は明るいからそっちにいけばいいだろう。

屋根から屋根へと跳び、城の方へ向かう。昔の忍者もこんな感じだったのかな。

速攻で帰って早く寝たいので速度はかなり速いだろう。人に見られる心配もないし、別に気配消さなくてもいいしな。

城の前まで帰って来た。門番に侵入者は黒焦げにしておいた、と言ったら顔を青くしてたので冗談だと言った。

侵入経路とその対策として今度塀の下を頑丈な石に変える事を約束したら感謝された。まぁ、俺もいるしな。あんまり侵入されても困るからな。

「…他の女の匂いがする。」

部屋に入るなりシェリーが鼻をスンスンと鳴らしてそんなことを言ってきた。寝るんじゃないんかい。

「寝てなかったのか。他の女なぁ…、あれは女って言うよりも、んー。」

「嫌な予感が的中ですね。さぁ、どこで浮気してきたんですか?吐きなさい。」

ベッドの上に向かい寝転がるとシェリーがバリケード壊して侵入してきた。

「浮気じゃねぇよ。まぁ聞け、あれは女じゃねぇよ。女って言うより女の子…、いや、馬鹿な女の子…、違うな。馬鹿の子だ。」

「何を言い訳してるんですか。他の女の匂いを消さなきゃ…。」

そう言ってシェリーがハピに掴まれてた手を自分の胸の方に持っていき挟みこんだ。

「ちょっと、シェリーさん!?怖いんですけど。」

「…この状態で出る言葉がそれですか?」

「他の女の匂いとか言われるともう震えるしかないですよ。」

腕を振りほどいてシェリーを押しのけバリケードを作り直す。

「それで何やってきたんですか?」

いつものことなので普通に会話を続けてくる辺り流石シェリー。

「侵入者捕まえに行ったら逆に捕まえられて?そんで逃げてきた。」

「ちゃんと潰しましたか?」

「だから怖いって、潰す程でもなかったし。まぁ気にしなくていいんじゃね?」

「…まぁマスターがそう言うならいいんですけどね、それでその女は?」

「もういいやろ、寝ろ寝ろ。」

そう言って聞く耳を持たないようにする。

「まったく、そうやって女ばっかり作ってるからこっちは…。」

「知らんがな。」

一言ピシャリと言って寝ることにする。変なことに首突っ込んじゃったな、まぁもう終わったしいいか。

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