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さんぼんめ!

「え?そうだっけ?」

「この人色々大丈夫なんですか?」

「…これでも次期首領なんです。」

爺が頭を抱えてる。この光景どっかで見たことあるな。…マーカスと意気投合しそう。

ふと誰かがくる気配がした。この家に一直線に戻ってくるのでまずさっき言ってた仲間だろう。数は3人。

「帰ったぞー、お嬢のやつどこにも…あん?なんだこのガキ?」

「どうも。」

すぐ後ろの扉が開いて、柄の悪そうな奴が入ってきた。

「ガキ?ここに?」

「なんでー?」

その後ろから声があがる。これで全員揃ったわけか。

「あー、皆おかえりー!紹介します!これから仲間になる、リードです。…ほら自己紹介して!」

「ちょっと落ち着こう、な?」

チラリと爺の方を見るがまだ頭抱えてる。

「ちょっと、どいてな。…お嬢、どういうことだ?」

柄の悪そうな男が俺を横にどかして家の中に入ってくる。続いて入ってきたのは人あたりのよさそうな青年と俺より小さいくらいの子供だった。

「どういうこともなにも、リードがバトルウルフの事知ってるっていうから仲間にしたんだよ?」

「まだあれ狙ってたのか…。んで、このガキはどこまで知ってるんだ?」

爺と同じようにこちらをジロリと睨みつける。顔に傷があるし、凄まれると凄い怖いんだけど。

「それをわしも聞いていたとこだ。お嬢、どこまで話しましたか?」

「どこまでって…、大体全部?ここの場所と人数と狙ってたものくらいかな?」

「お嬢…、それは…。」

「なんてこった。ガキとはいえ見ず知らずのやつにそこまで話すなんて…。」

「流石に俺でもそれはちょっと…。」

「ちょっとー。」

四人とも全員頭を抱える。子供は皆の真似してるだけだろうけど。

「なんで?リードはもう仲間なんだよ?話しても大丈夫でしょ?」

「お嬢が勝手に言っているだけでは?そこの少年はさっきから困惑してますが。」

ナイス爺。

「そうですよ、いきなりついて来てって言われてついて言ったら色々話されて今に至るってわけです。俺は全然知らないっすよ。」

「…だが知ってしまったんだろ?」

ずいっと強面が顔を近づけてくる。こわい。

「まぁ待て、ヒューイ。…話を聞いてからでも遅くはないだろう。」

あれ?これもしかして俗に言うコンクリートに詰められて東京湾に沈められるフラグってやつじゃないの?

「はい、なんでも話します。」

一応従っておこう。


「さて、リードと言ったかな?さっきお嬢…、ハーピーが言ってたことは本当かい?」

部屋の奥に連れて行かれての尋問スタイル。正面に爺、左にヒューイ、右に青年と子供、爺の奥にハピって感じだ。

「はい、大体聞きました。…その前に自己紹介いいっすか?名前わからないもので…。」

「ほう、…わしは爺と呼ばれておる。そう呼んで構わんよ。」

「このガキなかなか肝が座ってんな、俺はヒューイだ。…もっともこの紹介に意味があるかわからんがな。」

そう言ってヒューイがニヤリと笑う。ただひたすらにこええよ、この人。

「俺はロイ、こっちは弟のメルだ。よろしくな!」

「メル!よろしくな!」

そう言って手を伸ばして握手を求めてくるロイ、この人すっごいまともそう。握手に応じる。

「では俺も…、リードっていいます。一応お城の関係者?です。」

正直に言っておこう。

「ほらねー!言ったとおりでしょ?バトルウルフの事知ってるって!」

「お嬢、ちょっと黙っててくだされ。…してリード、君は城で何をしているんだい?」

「何をって…、お客様?してますけど。」

「ふむ、…バトルウルフについて何か分かることはあるかね?」

「あー、えー、もういないです。はい。」

うん、バトルウルフはもういない。嘘は言ってない。

「本当か?嘘をつくと為にならんぞ?」

横からヒューイがナイフをチラチラと見せてくる。

「本当っすよ!この目を見てくださいよ!」

そう言ってヒューイにキラキラした目を向けてやる。

「…続けな。」

どうやら信用してもらったらしい。あかん。

「もう帰っていいっすか?」

「アホかお前、この状態で帰れるわけねぇだろ!」

ヒューイに一喝される。

「朝までに帰らないとやばいんすよ…、明日も用事あるのに…。」

「明日の心配とはな…、笑えるぜ。」

そう言ってヒューイの広角が上がる。

「あれ?そういえば知らないんすか?一応今日お祭りの舞台に立ってたんですけど…。」

そういえばそうだ。あそこまで目立ったんだから顔が知れてても不思議じゃないんだが。

「お祭りだぁ?俺らが行くとでも思ってんのか?」

「ごもっともでした。」

「僕は行きたいって言ったんだけどね?みんな行かないって言うし、一人じゃつまんないからいけなかったんだけど。リードが舞台に立ったならいけばよかったなー。舞台の上で何したの?」

「お嬢…。」

どうやら知らないらしい。爺がハピに黙れとジェスチャーを送る。退屈そうにしてんなハピ。

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