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気配を消しながら歩く。気分はさながらどこかの蛇だ。

かと言ってダンボールなんて品物はないので普通に歩いてるだけだ。これでも普通なら気がつかないだろう。

既に数メートル先に見回りの兵士が歩いているがこちらに気がつく様子はない。

癖になってんだ…、足音消して歩くの。

気配を探りながら歩く、明日は迷宮に潜るのでその準備に忙しいのか兵士の数は少ない。

なるほど、これを狙って入り込んだのか。だが目的はなんだ?ティスカ公暗殺でもするのか?…それにしては侵入がお粗末すぎるか。

しばらく歩いていると妙な気配の主を発見した。マントにフードをかぶっていていかにもってやつだ。

一応念を入れて神眼で見てみる。

【ハーピー=フイ】【644:11】【メイン職業:盗賊5 サブ職業:村人1、僧侶見習い2、商人見習い3、冒険者見習い5、狩人見習い5】


HP:55

MP:21

力:31

敏捷:41

健康:32

知識:21

知恵:18

威厳:12

運:20


【パッシブスキル:】

【アクティブスキル:打撃武器2、採取4、片手剣3、軽装備3、聖魔法2、信仰1、話術1、宝物庫2、投擲武器4、偽装2、気配遮断4、トラベルワープ1、弓術1、マッピング2、気配察知2】


ガキかよ、まぁ背格好で大体わかってたけどさ。お粗末なはずだな、このスキルじゃ。

なんで忍び込もうと思ったんだろうな。こいつ。

警戒するのもバカらしくなってきた。ちょっとからかってみるか。


「すいません、道を訊きたいんですけど。」

「ふぁああああ!!??誰!?なんでわかったの!??」

後ろから肩を叩いて脅かしてみた。完全に見つかってないって思ってるからめっちゃ大声出された。

「今何か聞こえたぞ!女の声だ!」

「向こうから聞こえたぞ!」

まばらだが兵士はいる、その中でこんな大きな声出せばそりゃバレるだろう。

「やばっ!逃げなきゃ!君も来て!」

「え?」

となってるうちに手を引っ張られて持ってかれる。…これがお持ち帰りってやつか。

為すがままに任せてその侵入者と一緒に逃亡。これはちょっと面白くなってきたな。

「早く!こっちだから!」

「そう急かさないでくださいよ。これでも精一杯走ってるんですから。」

全然余裕で走ってるが侵入者は息が切れそうだ。

「ここから逃げるから、一緒に!早く!」

城の後ろの辺りの壁の下に穴が掘ってあった。なるほど、ここから侵入してきたのか。見た感じ小柄だから行けるってわけか。

「くっ…、ふうっ…。」

エロい、じゃなくて一所懸命穴に入っていく後ろ姿もエロい。お尻フリフリしちゃって誘ってんのか?

「…はぁっ、早く、君も来て!」

穴の向こうから手を伸ばす、どうしたものかと考える。…面白そうだからついてってみるか!

見回りの兵士達がこっちに向かってくるので念喋で俺だということを話す。立ち止まってるのでわかってるだろう。

この城の兵士なら大体俺の事知ってるだろうしな。しかも見回りの兵士は大体俺の教え子達ばかりだ。

「早く!」

急かされてるので急いで説明する。犯人は自分が追うので心配いらないことを伝えて穴に入り込む。

…思ったよりも狭い。これは無理くさいな。

顔だけ向こう側に出た状態なのでかなり滑稽だろう。…背中痛いし。

「遊んでないで早く!」

遊んでるわけじゃないんだけどな。とりあえず、この穴をどうにかしないと。

つっかえてる足の辺りの土を土魔法で砂に変える、そしてその砂を風魔法で城の中の方に出す。

これで大丈夫だ。

「こっちだから!」

「あー、はいはい。」

また手を引っ張って持ってかれる。…塀の穴は元のように戻しておこう。

そっと土魔法で穴を全部埋めつつ暗い街中へと引っ張って行かれた。


「…はぁはぁ、ここまで、来れば、大丈夫かな?」

息も絶え絶えな侵入者。鍛え方が足りんな。

「飲みます?」

そう言って水筒替わりの革袋を取り出す。…まぁ水は魔法で出したやつなんだけどな!むしろこっちのが清潔だと思うけど。

「ありがと、…ふぅ。…なんで君は平気そうなの?」

「自分、鍛えてますから。」

水を一気にゴクゴクと飲み干して一息ついたのか普通に喋ってきた。

「まぁ、いいけど。…あんたはなんであんなとこにいたの?」

あんたに格を下げられた。

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