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にほんめ!

でもそうじゃないんだ!

必殺技は2、3つあっていいはずだ。

かの有名な巨大なMなんたら星から来たやつらだって必殺技は結構持ってたはず。

これで満足してはいけないのだ…。

「あー、浮かばねー。」

「そんなに大事なんっすか?必殺技って?」

「俺クラスになると必要…かな?」

「よくわかんないっすけど、さっきの水の竜じゃダメなんですか?」

「それだ!!!」

思いつかなかった。いや、完全に乗ることに集中してたからそっちしか考えてなかった。

水の竜を作り出してそれを縦横無尽に走らせ破壊の限りを尽くす。これだ。

思ってた接近戦でも使えるような魔法じゃないけど、この際かっこいいからそんなことはいい。

もう一度水の竜を作り出す。…これを突撃させるだけじゃ物足りないな。水圧に耐えられたら意味ないな。

ならばと水の竜の周りに風魔法で風をまとわせる。ついでに竜を形作ってる水を循環させて水圧+水で引き裂くようにすれば。

「…なんっすかこれ。破壊兵器ですか?」

「やりすぎな様な気がしますが。」

そんな俺の様子を見てウォードと銀がポツリと呟く。ウォードなんて顔が青くなってるので相当なことなんだろう。魔力かなり使ってるしな。

「…やっぱり?これどう考えても大量殺戮兵器だよな…。」

試しに少し動かしてみたがエグい。土がゴリゴリと削れていくのでこれを相手に当てるとなると原型が残らないだろう。

「うわぁ…。」

「主様、これは…。」

「…ま、まぁ、魔物が大量にせめて来たときに使えるし?思いついて損はなかった的な?」

「…ティスカ公が無茶したらこれが城を襲ってくるんすか?うわぁ…。」

「人相手にこんなん使えるかよ!やっぱり封印だ、封印。これはつかっちゃダメなやつだ。」

そう言って竜を消す。後に残ったのは抉れた大地。…土魔法で補強しておこう。

「【ドラゴンツイスト】が封印となるとまた別なの考えなきゃな。」

「名前考えてたんすね…。」

当たり前だろう。どんな必殺技にも名前は必要だからな。

「今日はもういいのでは?それなりに訓練になりましたし、明日は初迷宮なんですから。」

そう言って銀がしっぽを揺らす。…こいつちょっとワクワクしてんな。

「まぁ、銀は俺と一緒で迷宮入っても手助けは出来ないんだけどな。」

「それでも初迷宮ですからね。楽しみです。」

まぁ、わかってるならいいんだ。入って銀無双とかもう誰が得するんだって話だしな。何より中型犬が殺戮の限りを尽くすとかとても映像に写せない。

訓練をやめにして、城へと帰ることにする。

ウォードが泥で少し汚れてしまっているし、俺も銀も模擬戦で動き回ったので男同士のシャワータイムへと勤しむことにしよう。

いつものように水浴び場に行き、ウォードにも石鹸を分けてあげて体を洗う。

「毎回これ使ってんすか?」

「そうだな、普通だろ?」

「こんないい物あまりつかわないっすよ、いい匂いするし。」

「しょうがないだろ、シェリーがそれ選んだんだから。」

俺はどれでもよかったけどシェリーがそれがいいっていうから…。

「まぁ、シェリーさんは女の人っすからね。やっぱり稼いでるんすねー。」

「そんなことはねぇぞ?今絶賛金欠中だしな。」

実際どうしよう。このままお給料だけもらって、ってのは流石にまずい。どうにか俺に出来る金策をしなくてはいけないな。

「まぁ、そんなことはいいっすけど。…まだ生えてないんすね。」

「キャー、やめて!まだ発展途中だから!」

セクハラはやめて!…まだ大丈夫、大丈夫だから。

心にダイレクトアタックをされつつ、銀も洗ってやり風魔法で手っ取り早くみんなを乾かす。この後は飯だな。それでもう今日は寝よう。


ウォードと別れて部屋に戻るとシェリーは読書をしながら待っていた。こればよかったのに。

「やっとですか?待ちくたびれました。」

「そんな遅くないだろ、飯いくか。」

シェリーを連れて食堂に行き、ご飯を注文。俺はいつも通りシェフの気まぐれ。シェリーと銀はいつもの。

この組み合わせが鉄板すぎてメイドも食堂入った瞬間に動いてシェフに伝えに行ってくれてる。出来るメイドだ。

たらふく飯を食ったら部屋に戻っていつものようにだらだらと過ごす。この時間が一番リラックスしてる気がする。

シェリーとおしゃべりしたり、時々レイが乗り込んできたり、銀の毛並みを整えたり、ティスカ公を扉の向こうに押しやったり。色々やってる気がする。

さて、寝るかと銀がソファーに寝そべり、俺とシェリーがベッドに入り、いつもの用に布団で仕切りを作って寝る準備をする。

この頃気配を探るのが下手になってる気がするのでベッドに横になったまま周りの気配を探る。

やっぱり城だけあって沢山の人が働いてる。…あれ?なんかおかしいのがいるぞ。

城の周りをこそこそと動き回ってる。…見回りの兵士はみんな規則正しい動きをしているのでこの動きは怪しい。何より見回りの兵士を避けるような動きをしてる。

「…ちょっと気になること出来たんで行ってくるわ。」

ベッドから起き上がり、シェリーに一応声をかけておく。

「なんですか?夜這いですか?」

「アホか。」

「もしかしてレイにですか?許さないですよ!」

「なんでそうなるんだよ…。いいから寝とけ、朝には帰ってくるから。」

「朝帰りとか…。」

「なんでそっちに持っていくんですかねぇ…。ちょっと曲者がいるから退治してくるだけだ。」

「あっ、そうなんですか。いってらっしゃい。」

「ちょっとは心配ってのはないんですか?」

「マスターならいらないでしょう。」

まぁ、そうなんだけど。気配隠すのがそこそこうまいけど俺にとっちゃ丸見えだしな。銀も全然心配してないのか聞こえてるだろうに何も言ってこなかった。

「…まぁ、行ってくるわ。」

窓を開けて、外に出る。完全に隠密行動に徹するので気配を消す。

これで見張りの兵士に見られても問題なし。…別にやましいことはしてないけどね?

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