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「それでも十分通用するな、うん。さっきみたいに人型相手のときはその姿の方がよさそうだな。」

「そうですね、体が小さいと動きにメリハリがつきますからね。」

確かにあのフェイントはわかってても釣られてしまう可能性があるな。

あのスピードで動き回られたら並の人間じゃついていけないだろうし。

「ちょっと、銀。その姿で走り回ってくれないか?全力で。」

「いいですよ。」

そう言って銀が走り出す。最初からトップスピードに持っていけるから尚更怖い。

ウォードの方をチラ見するが目が完全に追えてない、やはり普通の人なら目で追うのも難しいらしい。

こうして見ると隙がないな。等身が低い分姿を捉えにくいし、どうやって崩そうか。

「もういいですか?」

そういって銀が止まる。急停止もお手の物か、緩急を付けられたらたまったもんじゃないな。

「そうだな。銀はそのスピードを活かして、緩急をつけて流れるように攻めるのがいいんじゃないかな?」

「さっきみたいにですか?」

「そうそう、いきなりトップスピードに持っていけるのは強みだな。四肢強化のおかげか?」

「そうですね。…主様はなんでもわかってますね。」

「何でもは知らないわよ。知ってることだけ。」

名言を出しつつウォードも交えて銀への戦略を授ける。

基本的にフェイントを多様しての多彩な攻撃を軸にすることにした。

右に左に飛びつつ足元から崩していくようなスタイル。実際にウォードを実験台にして銀にさせたらウォードの目が回ってた。

「うん、これでいけるな。その姿の時はスピードを活かしてのかく乱。元の姿の時はパワー系でいこう。」

「その方がいいですね。わかりました。」

銀にアドバイスをしつつ、このままでは俺も普通に負けてしまうのでどうにかしなければ。


ウォードを生贄に銀の技の練習をさせつつ、今度は自分の新技を編み出そうと思う。

【メテオシャワー】が火魔法と土魔法の合わせ技なので次は水魔法と風魔法の合わせ技にしよう。

出来れば接近戦にも使えそうなのを。

あれこれ考えながらまずは水魔法で自分の周りに薄く膜を張る。

…自分の視界が悪くなる。却下。

次に風魔法で自分の周りにかまいたちを作るようにして自分を包み込む。

…使えそうだけど俺も手が出せないし、なによりも音がブンブンうるさい。却下。

次に自分の周りに水の膜を張り、内側から風魔法で外に向かってかまいたちを乱射する。

…考えただけだけどダメすぎる。仲間に当たる可能性のが大きいし自分を被ってる水の膜の強度が心配だ。それに見えなくなるってのは予想以上に怖い。

…ダメだ。考えれば考える程風魔法のせいで味方巻き込む技になってしまう。

ここは一つ一つ丁寧に考えよう。合わせ技は思いついたらでいい。

水魔法の新技を考えよう。自分の豊富な魔力を使って出来ることといえば。

まずは水で竜の形を作り出す。そしてその竜に乗る。

そして!!

「ぎーんのふふーん、ふふーふっふふー。」

アホか。歌ってる場合じゃない。…いやここは昔話の方がよかったか?それとも玉を集める曲のがよかったか?

新技作らなきゃ…。

まてまて、どんな時に使う魔法なのかを考えよう。

銀の用に素早い相手を遅くするような技だ、これだ。

…無魔法で壁作り出して進路ふさげばよくね?いやいや、これだと全然新技じゃない。むしろ無魔法は本当に奥の手として使いたいから気軽に使えない。

魔法で作った痕跡は消せないってとこに注目してみるか。

足場を崩すと考えて、土魔法と水魔法でまずは泥を作り出す。そこに風魔法で泥を固めればいいんじゃないか?

生贄になってたはずのウォードと銀がこちらを興味深そうに見ていたので巻き込む。

まずはウォードの下半身を泥で包む。

「え!?いきなり!!??」

そして風魔法で固める。

「うわ!動けない!!」

…却下。魔力がかかりすぎる。むしろ動き止めるなら水魔法で氷に閉じ込めた方が何倍も手軽だ。

ウォードを解放してやる。

「すまんな、ちょうどいい実験台がいたもんで。」

「いきなりなんてひどいですよ。」

「…魔法使いはいつどこで襲ってくるかわからんからな!注意しておくように!」

「主様、言い訳にもなってませんよ。」

まぁわりと自分でもひどいと思った。

「まぁ、そんなことより今のどうだった?一応参考までに聞いておくけど。」

「そんなことよりっ!…まぁちょっとタイムラグがあるような?」

「魔力がかかりすぎるんじゃないですか?それに、対策もしやすそうです。」

ウォードと銀の意見も参考にしてみるがやっぱり使えそうにないな。

「…新技って難しいな。」

「さっきから変なことしてると思ってたらそんなこと考えてたんすか。」

「主様は今でも十分強いと思いますが…。」

「やっぱド派手な必殺技とか欲しいじゃん?」

「あの火の岩飛ばすやつで十分凄まじいと思うんですが。」

確かに、銀の言うことには一理ある。

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