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痛い視線を浴びながら城に戻る。

流石に明日から迷宮に潜るので今日の訓練はお休みだそうだ。

だが俺は疲れ知らずの超回復持ち、レイも持ってるんだけどまぁゆっくり休んどけばいいか。なんか張り切ってるしな。

シェリーも部屋に戻ってゆっくりするって言ってたの今は俺と銀の二人だけだ。

二人共やる気満々で訓練所に来ている、幸いと言うかなんというか他には誰もいない。

「さて、銀。訓練しますか。」

「そうですね、元に戻りますね。」

そういって銀は元の姿に戻った。スカーフが右足に巻き付いてる。なんかそこだけキュートだ。

「二人だし、準備運動したあとにタイマンでもするか。」

そう言って準備運動開始。いつものように木剣を取り出しそれを軸にして運動をする。

「あれ?主様、腰の剣は使わないんですか?」

ググッと伸びをしている銀にそう言われる。

「こっちの方が慣れてるしなー、…そうだ!!」

思いついた。てゆうか完全に忘れてた。

木剣を右手に、腰の鉄のショートソードを左手に。そして軽く降ってみる。

少しぎこちなかったが一応不自由なく振れそうだ、後は実戦形式で慣らしていくしかないか。

「…そんなこともできたんですね。」

「まぁ、切り札の一つだな。時々使っておかなきゃな。…よし、いくか。」

そう言って後ろにバックステップをして銀から距離を取る。その一言で銀は既に戦闘態勢に入っていた。


バックステップで下がったところを銀が一瞬で追いつき、足を叩きつける。

それを当然の如く前に転がり躱す、ついでに後ろ足を切りつけようとするが銀も動きがわかってたのか、通り過ぎるように後ろ足で蹴りをかましてくる。

慌てて二つの剣でガードをし、銀の蹴りの威力を殺し、反動を調整して横に吹っ飛ばされるように飛ぶ。

銀が直線的な動きだけじゃなくて、よけられたことを想定して動くようになったのを喜ばしく思うが今はただ厄介だ。

そのまま銀との距離を取る、銀も素早く俺の吹っ飛んだ方に体を向けて追撃に出ようとする。

次は俺から前に出てみる、銀が一歩踏み出した瞬間にこちらも前に出て銀の距離感を惑わす。

銀はそのままこちらに向かってくるのでフェイントで後ろに大きく飛んでみた。

銀は少し驚いたが構わずにそのままこちらに来ようとしてるのでここで一気に距離を詰めることにする。

着地と同時に走り出し、銀の死角となる足元に潜り込もうとする。

銀もそれがわかってるので最後の一歩で上に高く飛び、死角に入り込もうとしていた俺に上空からブレスを吐き出す。

これは流石に想定してなかったので慌てて水魔法で大きめの壁を作り出す、そしてこのまま銀が上空から追撃をしてくると思うでその場からそそくさと逃げ出す。

しかし、銀は追撃はしてこず。少し離れた場所に着地した。

「主様、ちょっといいですか?」

「ん?なんだ?」

この頃銀も色々と考えてくるので捌くので精一杯だ。元々銀の方が能力値的には上なのでこうなったらこちらもうかつな動きが出来ない。

「犬の姿に戻っていいですか?この体だと、主様相手には大きすぎるようなので…。」

「…あぁ、いいぞ…。」

ファック!唯一俺の勝目である死角からの攻撃も封じられる。でも銀も考えた結果こうしてるのでそこは素直に嬉しい。

スっと銀が犬の姿に戻る。あの体で同等の能力だからな。ちょっとまずいかもしれん。

「では…、いきます!」

そういって銀が弾丸のように飛びかかってきた。速い、予想以上に速かった。あの巨体じゃないとここまで速くなるのか。

なんとか迎撃しようと剣を構えるがあと一歩のとこで銀が横に飛んだ。ここでフェイントまでいれてくるのか!

迎撃の為に体勢が前のめりになってしまった。そこに銀が狙いを定めて飛びかかってくる。

なんとか前にむかって無様に飛び込み銀の一撃を躱す。まずい、後ろから銀が追撃してくる。

「おー、なんか凄いことやってるねー。」

と、ここで周りから声が響いた。無様に転んだままの体勢でそちらを見ると、ウォードが手を拍手しながら見ていた。銀もウォードを見ていてこちらには向かってこないみたいだ。

「…あれ?お邪魔だった?」

キョトンとした顔のウォード、まぁお邪魔だったんだけど俺的には助かった。

「…ちょっと休憩にするか、銀。」

「はい。…惜しいところでした。」

「あれだけ出来れば十分だな。…むしろ俺が油断しすぎた。」

実際あのままやってたら立て直せなくて一方的な展開だっただろう。むしろ立ち上がれもしなかったかもしれない。

「あれ?やめちゃうんですか?」

「ちょっと休憩。」

「そうなんですか、それにしてもリード君でも苦戦するのね。」

「くっ…、ちょっとあれはカッコ悪かったな。でもしょうがない、それだけ銀が強いってことだからな。」

「今回は不意をついた様なものですから、次からは同じ手は通じないでしょう。」

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