表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/317

転生前1

「おっ、なんだこれ?」


アニソンがスピーカーからそこそこの音量で流れている部屋で独り言がつぶやかれる。

この部屋の主は現在、ネットゲームを休憩中デスペナルティでその間は暇なのでネットの海にダイブしているとこだった。


「新しいネトゲかなにかか?」


それは、ブラウザの下の方にポツンと 転生 とだけ書かれているポップだった。

ポインタをそこに持っていくとどうもクリック出来るようであった。


「なんの宣伝もなくて、この文字だけってのが素晴らしいな。」


この男は、そのシンプルさに惹かれてそのページに飛んでみる。


「どうせそろそろあれも潮時だしな、…ちょうどいいだろ。」


男の今やっているネットゲームではユーザーの減少が止まらず、品物のデフレが止まらず、運営の課金催促が止まらずと、奈落の底へとまっしぐらの状態であった。


「…ほう、面白いな。」


クリックした先のページでは文字しかなかった。

普通はキャラクターが写っていたり、ムービーが流れたりとやる人の意欲を引き出すものだがこのゲームにはそれがまったくなかった。


「ますます、気に入ってきたな。」


この男は、いくつものゲームを渡り歩いている、いわゆるネトゲ廃人である。

トップを走り、その世界の終わりを見て、次の世界に渡りまたトップを走り続ける。

かっこよく言えばこうなるがただ単に膨大な時間をゲームに注ぎ込みそのゲームが終わりを迎えると悲しみ、その悲しみを乗り越えてまた次のゲームへとのめり込むだけである。

ただの暇人だった。


「ふむ…」


ページにあるのは、

性別、容姿の2項目しかなくその横に書き込む場所があり、そのしたに確認のボタンがある。


「珍しいな、これだけなんて、しかも容姿って漠然としすぎだろ…。」


とりあえず性別は、 男性 と書き込む。

女性にしてネカマプレイや装備を楽しむのもよかったがそれも他のゲームで飽きてきたのでどっちでもよかったのだが本来の性別にすることにした。


「容姿…ねぇ…。」


当たり前だがこの男、お世辞にも顔立ちはいいとはいえない、むしろ顔立ちがよかったらここまで引きこもり、ゲームにのめり込んではいないだろう。


「超絶イケメンってのもこっちがむかつくから無しだな。」


呟きながら容姿の項目に、 イケメンで中性的な顔立ち とどっちにしろイケメンな書き込みをする。


「質問が漠然としすぎだし、こっちも適当に返せばいいだろ。」


このような漠然としているアンケート的なものは実際反映されないことをこの男はよく知っていた。

確認のボタンを押して次のページに飛ぶ。


「しかし、この運営人呼び込む気あるのか…ん?」


次に出てきたのは能力値のようだった。

HP、MP、力、敏捷、健康、知識、知恵、威厳、運の9項目があり、その横に数字が書かれていた。

そのまた隣にはチェックマークがあり、下にはロールと書かれたボタン、そしてボーナスポイントと書かれていて数字が12とあった。


「なるほど、…どこぞのフリゲ方式だなこれは。」


試しにロールボタンをおして見ると能力値の数字とボーナスポイントが切り替わった。


「こうやって能力を決めるのか、しっかしひどい能力だなこれは。」


HPとMPは少し他より高く、他の能力に関しては1から3までしかなく力が唯一3であった。

ボーナスポイントは23だったが。


「とりあえずロールに制限はなさそうだし、色々試してみるか。」


適当に2、30回ロールを繰り返したがHPとMPは6が最高で他は3が最高だった。

ボーナスポイントは様々で一桁のときもあれば76や92といった高い?数字が出た。


「限界低くね?でもLV1だとしたらこんなもんか?」


とりあえずと次はチェックを入れてみる。

力が最高値の3だったのでチェックをいれるとボーナスポイントが34から一つ少なくなって33になった。

その状態でロールを連打してみると力の能力値は変わらずに他の能力値がころころと変わっていく。


「ほー、ボーナスポイントで能力固定させる感じか、それならすることは一つだよな。」


ロールを繰り返し、すべての能力値を最高値と思われる数字に当てていく、これでボーナスポイントは9減った状態で表示されているはずだ。


「残りはボーナスか、これどこまであるんだろ?」


ロールを繰り返すしていくが能力を固定する分よりは下回ることはないらしく、2桁の数字が大半だった。


「最高値は100ってことか?…固定してる分除いたら91ってことか。」


ロールを繰り返していく、途中で0の数字が出たときは一瞬びっくりしたがそのまま繰り返す。


「簡単には出ねぇよなぁ…23、58、73、2、6、51、…おっ!」


ついに91の数字が出た、それまでに3桁の数字が出てこなかったのでこれが最高値だろう、と男は思った。

確認のボタンをおして次のページに飛ぶ。


「キャラメイクはやっぱ最高値じゃなきゃな、他の連中もそうだろうし、最初から劣ってるのなんて人生ってクソゲーだけで十分だ。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ