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フローイ国・戦乱の予兆1

 同じ頃、アトラスたちの話題に上ったフローイ国のリーミルは、居室の窓から聞こえる賑やかな声に誘われて外を眺めた。フローイ国の王都カイーキは、弟グライスの婚礼を祝う人々でにぎわっているのである。

 フローイ国はアトランティス大陸北西部に位置する大国である。山岳地帯が多く農作物には恵まれないが、豊富な銀を産出する鉱山に恵まれて経済は潤っている。人々は頑固で質朴だが、手先は器用で、フローイで作られる銀細工の見事さは大陸の隅々に知れ渡っていた。

 今、この国は普段の質朴な人々の雰囲気が一転して華やかで、現在のアトランティスを象徴する行事が行われようとしていた。アトランティス中央に位置する大国シュレーブから、王族の血を引く貴族の娘フェミナが、このフローイの若き王子グライスに嫁いできたのである。

 フローイ国とシュレーブ国は、それぞれの王家の姫をルージ国の王子アトラスに嫁がせて勢力を拡大しようと計っていた。しかし、同時にフローイ国とシュレーブ国は互いに相手から攻められないよう手を結ぶことも忘れては居なかった。

 平和的に結びつきを深めようと言うことではない。相手の裏をかき、自国の勢力を拡大する機会を窺うために、表面上の結びつきと笑顔が必要なのである。この時には、フローイ国王子グライスと、シュレーブ国のフェミナが、国家の道具に使われたと言えるかも知れない。


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