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六神司院(ロゲルスリン)の使者
明くる朝、アトラスはベッドで飛び起き、冷や汗が額から頬に流れ落ちるのを感じた。しかし、夜半、どんな悪夢にうなされ続けたのかは覚えていない。目覚めの瞬間に、心の中が帰国の不安で満たされたのである。王位を継承するために帰国する。ただ、国の人々は王リダルの戦死とルージ軍の敗戦にどれほど混乱するだろう。同時に父とは比較にならぬほど未熟な自分を、民は王として受け入れるだろうかという不安も湧く。
ルージ軍の敗北と王の戦死、既に過去の出来事がアトラスの心を乱すばかりでなく、見通しの利かない将来に絶望に近い不安を感じていた。そんなアトラスの心を更にかき乱す出来事が起きた。ヴェスター国王レイトスがアトラスの出立に延期の申し入れをしたのである。六神司院から使者が来るという。
アトランティスでは貴人の訪問の前に、先触れの使者を出してその訪問を告げる。先触れの使者が都レニグに到着し、今日の昼に、六神司院の正使が、王レイトスに面会を求めるというのである。六神司院正使が何を告げに来るのかは不明だが、その内容はアトラスも帰国前に知っておく必要があるだろう。王レイトスの申し入れはそう言う配慮である。




