第九部
さて毎回言っているような気がするけど
物語がそろそろ動き始めるでしょう。
とは言いつつまたまた大学のほうで僕の発表が近づいてきている。
ちょっと更新遅れると思います。
読んでくださっている方いつもありがとうございます。
こんな僕を本当に許してください。
さてさてやっと最初に戻ってくる。
ここまで戻ってくるのに結構な時間がかかったようだ。
さてなんでこんな田舎にいるんだろうと思うであろうが、思ってほしい所ではあるが、それは彼が設計したホールがある某遊園地へ向かうためである。
「ここには足りないものがすべてある。」なんて大きなことを売り文句にしている。
インターネットで調べてみたところふしぎなことにあまり家族連れが訪れていないようだ。
というかレビュー自体が少ない。あれほど広告費を使っておきながらこの程度でしかないのはおかしい。
中に入るにはチケットを予約して買わないといけないようだ。
門まで行ったところでチケットがないとパンフレットさえもらえない。
ヘリで上空から写真を撮った雑誌などがあってもいいようなものだが
見えているのは純白なこの遊園地のシンボルであるバベルの塔であった。
彼が設計したホールはこのバベルの塔の一番上一番真ん中にあるらしい。
レビューはなかったがチケットが買えないというコメントだけはやたらとあった。
それだけ人気なのかはたまたあまり人が入れるような構造ではないのか。
それにしてもこんな田舎なのだから安く土地も買えそうな気がするが。
そもそもこんなところに村なんてなかったようだ。
この遊園地のために作られた町。
だがそれにしても昼間っから酒を飲んでいる奴や
ベンチで寝ている奴が多い気がする。
遊園地が出来上がってほったらかしにされてしまったのだろうか。
彼らは遊園地について何一つ語ろうとしない。
私はチケットが取れなかった。
周辺で情報収集でもしながら彼の情報を探ればいいと思ってこの貧相な村に宿泊している。
彼の娘が僕の家に住んでくれるようになったのは運がよかった。
なぜなら我が家にはマキ候補生がたくさんいるのだ。
私は彼らの世話に一日一時間は費やしていた。
ちゃんと小屋掃除のシフトを組み
彼らにあげるエサも曜日によってしっかりと管理していた。
私が遠出するにあたっての一番の障害は、しかし障害という言葉は間違いである。
障害・・・、彼女たちの世話こそ楽しいひと時なのだ。
もはや禁断症状が出てきそうだ。
それを察してくれたのか胸ポケットからマキが出てくる。
わずかに湿った毛を乾かすために僕のスーツに体を押し付けている。
いやー、なんてかわいいんだ。そしてなんて優しいんだ。天使のようだなぁ。
さてこんなにびしょびしょのスーツから着替えるか。