第七部
眠い、嗚呼眠い、、
猫探しだけで人は食べていくことはできない。
これは当然である。まぁ今の状態でもしっかり食べることが出来ていないだろうと言われてしまえば、それまでではあるのだが。
それまでではあるのだが、ここは強引に話を進ませてもらうとしていわゆる副業というやつだ。
副業、アルバイトとして人探しの依頼を受けている。あんまり大きく言えないのは想定している依頼主が危ない方々だからである。仁侠だとか義理だとかという時代は過ぎて、金貸しいわゆる「といち」等と言われるうん?ホウリツ、うん?という人たちが主な依頼主であり、対象は夜逃げをしてしまった人やお友達の家、実家に逃げ込んだ人である。非人道的人達にまた非人道的な行為によって手伝う。平和主義の僕がなぜこんなことをしなくてはならないかというのは単に時代のせいということにしておこう。
逃げ出した方々がその場を移動しそうもなければ、仕事は報告しておしまいではある。だが友達の家にいるとか公園で野宿なんて方は報告した後でまた逃げられてしまうと二度手間ということになってしまうため(平和主義なんだけどなぁ)見張りながら携帯で依頼主を呼び出す。そうすると見てしまうんだよなぁ。あれを見ると僕は一週間ほど仕事をする気力を失ってしまう。
わかってもらえないだろうか。自分が明日の食費を得るために、他人の明日、いや三日前の食費を奪い取るのだ。精神的にとても参る。臓器を売るかなんて脅されている人のいる脇で「いつも助かるよ、あんちゃん。腕はピカ一だ。まったく湿気た事務所畳んでうちの専属で雇われねぇか」なんて言われた日にゃ翌日まで空きっ腹にアルコールをぶちまけ三日間くらい二日酔いにならないとやりきれない。
精神が崩れるのが早いか胃袋が破けるのが早いかというような努力のお陰で情報は大体入ってくる。完全永久中立を貫いているので組織間の争いとかの火種が飛んでこないようになどこれまた神経に負担のかかることを気にかけなくてはならないが、それ以外ではとてもたよりになる方々であることも事実であり、あまり悪くは言えない。
ただ困ったら金を借りに来なよ。ちゃんと安くしといてやるからさ。という言葉は本当に勘弁願いたい。
まぁこんな話をしたのは調べものを手伝ってもらったからだ。
日本において建築や土地などには、ほとんど危ない方々が関わっていらっしゃる。これらで不都合が起きた場合大体の情報は彼らがつかんでいる。
蛇の道は蛇。使えるものは何でも使う。だが、それと同時に相手に変に使われてしまわないように気を付けなくてはならない。この世界で働いている僕が心掛けていることだ。
だが、まぁ今回はあまり関係はなかった。
ニュースで大きく取り上げられているため誰もが知っていることだったからだ。
終わりが見えんな
こんなのでいいのだろうか、いやダメだ。
だが断る!