第六部
さてここからどうなるかは作者ですら知りません。
面白そうだなぁと思っていただけたら今後もお付き合いください。
「うちの姪っこは演劇の専門学校に通うことになってねぇ」
「あー、ここからなら自転車で15分ですもんねー。とはいってもなぜ私の部屋なんです?」
「あいにく、他のフロアは空いていなくてねぇ。ちょうどここが空いていたもんだから」
「あいにく、ここも埋まっていまして。他をあた『家賃いくらだと思ってるんだい!』」
「先代の頃から、ここが再開発されて交通のべんがよくなる前の値段で貸しているからここだけ赤字なんだよ。恩があるから激安で貸しているっていうのに、それでも時々滞納するっていうのに、、、、、、、文句あんのかい?」
「ありません」
「でもね、この子のお父さんがどこにいるのかわからないっていうのは本当なんだよ」
「でもお母さんははなっからいないって」
「そりゃ狂言。演劇科だからね」
「泣いていたのも?」
「そこら辺は、あんた。察しなさいよ。まぁ話を戻すけど、妹から相談を受けたのよ」
ここからはまとめさせていただく。
彼女の父親は建築家らしい。
主にホールなどの設計を行い音響の勉強をしに留学もしていたようだ。
元々は音楽の勉強をしていて自分の才能に見切りをつけ建築に転向。
全く変わった人である。要は金持ちのぼんぼん。
今はちょっと離れた場所に出張していたらしい。毎週連絡があり現状などをよく聞いていたらしいのだが、少し前に小包が届き、それっきり連絡がなくなったらしい。仕事で出掛けて忙しいだけかも知れないので警察に捜索届けを出すまではいかないが、s心配だという話を大家のおばさまにしたらしい。主な話は娘の進学先が大家のおばさまのビルから近いから住まわせてあげられないか、という話だったようだがどっちも都合がつけられると生け贄に僕はされたということのようであった。
小包の中身は壊れて音のでないオルゴール。壊れたというより未完成という感じだ。なんたって部品が足りない。ドラムはあるのだが突起を弾く爪がついていない。オルゴールは夫の趣味であり、送ってきたこと自体には不振な点はないようだ。
要するに安否を確認するだけの簡単なお仕事。大家のおばさまの妹君も仕事があり動けないので暇な僕が捕まったようだ。
それがお仕事なのだから二つ返事で引き受けた。
この人探しは平和でいいなぁ。
どうせ仕事に熱中して連絡を忘れているだけであろう。