第四部
学期が始まってしまった・・・。
更新遅くなりそうですが、まぁいつも遅いので対して変わらんでしょう。
携帯をギャラクシータブに変えたので外出先でも楽に書ける!!
今回はあまり進みません。
仕事を終わらせ事務所に戻る。
事務所兼自宅というのりまき探偵事務所はビルの1フロアで雑務室兼応接室、キッチン、風呂、仮眠室で構成されている。
夕方に帰ると部屋中が夕日の洪水のように眩しい。
まぁその中で飲む珈琲ほど美味しいものはない。夕食はスーパーのタイムセールで買った惣菜と自分で炊いたご飯、いろいろなところでもらったおかずで構成されている。マキに市販の餌と新鮮な菜っ葉(今週はレタス)を与え一緒に同じテーブルでご飯を食べるのが日課だ。金にゆとりがあれば風呂上がりにウイスキーを一杯ひっかけ、そのまま蒲団にに包まれる。これ以上の幸せを僕は思い付かない。
今日は肉じゃががおかずとして一品増えたと意気揚々と鍵を開けてただいまとマキ候補生達に声をかけるとただいまと声がかえってくる。
そういえば最近事情が変わったのであった。
中年の親父が猫を捕まえ続ける話というのも楽しそうなものだが、生憎私は猫の牧師ではない。残念ではあるが、一応探偵である。探し出すというのが得意ではあるが、それは飼い主に返すという行程を経て手に残るのは数枚の紙幣だけである。事務所にいるのは私とマキ、そしてその候補生達だけであった。子供達の溜まり場になっているのは数に入れない。そんなことをしてもきりがないからではあるのだがそれにしてもだ。拾うことはない。全くない。それでも一時の気の迷いとでも言うのか、自分自身の感情に対し非常に天の邪鬼であるとでも言えば良いのかよくわからん。
その日は少し、少しの違和感が溜まっておかしな日だと感じていた。いつも自転車で巡回しているお巡りさんに「君の活動は町の財産だ」とか「たよりにしてますよ」なんて声をかけてきたり、おばちゃんの差し入れのカレーの量がいつもよりかなり多かったりと。挙げ句の果てには処分する古着が大量に出たからといって僕が着ていたら檻の中に入れられてしまうような服までもが大量に届けられた。しかも箪笥付きで・・・。
見事な夕陽であった。いつものように淹れるたびにコーヒーミルを使うこだわりの珈琲は香り味ともに最高であった。部屋にはわざわざうん万円で買ったスピーカー達が静かに音を奏でていた。台所にある大量のカレーと目の端にちらちらと映り込んでくる箪笥を除けば僕の心は平安そのものであり、世界から戦争はなくなりました。
なんて言われた暁には両手を挙げてその喜びを柄にもなく身体中で表現することにためらうことはなかったであろう。奇妙だと感じていたこともすっかり忘れていた。
だから控えめなノックが響いても快く「どうぞ、扉は空いていますよ」と声をかけた。