第十一部
なんかすいません
こういうシーン初めて書きました。
難しい、どう書けばいいんだろう。いろいろ読んでいても実際書くのは難しい。そんな感じで第十一部です。
彼らはいつも殴ってくる前に話をする。
正直とても長い。つまらない。
全ては言い訳である。
「お前は殴られるために捧げられたんだ」
「別にお前が憎いわけじゃないんだ。ただつまらないんだよ」
殴りながら彼らは泣きそうな顔をする。
だから殴られてやってもいいと思うのだ。
何も感じない。怪我をしてもすぐ直る。
そんな僕が彼らのために唯一できること。
そして唯一復讐できる手段。
殴られても泣かない。
傷ついても痛がらない。
囲まれても怯えない。
恫喝されても逃げない。
彼らの本心は僕に逃げてほしいと切実に思っている。祈っている。
大勢で囲んだとしても隙間が空いている。
だけど逃げない。だから逃げない。
痛みとともにどこかに何かを残してきてしまった。
僕って残酷だなぁ。
突然の罵声
くだらない電話のやり取りをしながら適当に歩く通りを選んでいたら薄暗い集会場のような場所へ。
そういえば町を歩いていたとき男の姿が見えなかったなぁということに気が付く。きれいなおねぇさんだなぁなどと鼻の下を伸ばしていたからいけないのか。
いやいや逆に考えるべきであろう。危険な目に合っている子供を助けることができるのだ。ハァァ・・・。
様子を窺ってみる。まずは状況把握だ。
探偵というものはそれが基本であり、すべてである。
子供、男の子を取り囲むように十数人の男たちが立っている。
子供の顔には赤く手形が付いている。
攻撃的な目つきだ。だが何も言わない。
それが男たちを煽っていることに気が付いていないのだろうか。
男たちのほうは取り囲んではいるが子供を直視することはない。
俯いて足元を見ている。
子供より大人のほうが弱気なのはなぜなのだろうか。
屈強な体型というわけではなくヒョロヒョロからまぁ普通かなぁむしろお腹出てますよみたいな人まで良くそろっている。まぁ普通の人であろう。
大声の主だと思われる男にしても殴ったように見えない。張り手はくらわしたようではあるが。
これは・・・案外飛び出していったら散っていくんじゃないか・・・?
「子供相手に何をやっているんだ!?」
男たちの囲いをすり抜け一か八かで飛び込んでみる子供の前に庇うように立ってみる。
時間を空けずにすぐさまけりが飛んでくる。後ろから・・・・。
「邪魔をするんじゃない!」
声変わり前の少年の声が地面に這いつくばった僕の背中に飛んでくる。
「ずらかるぞ」男たちは散っていく。
読みは当たったわけだが釈然としない。
「くそっ、あんたのせいで口実を与えちゃったじゃないか」子供もそのまま駆けていく。
いつの間にかに薄暗い集会場に僕一人。
なんなんだろう?これって茶番?