第十部
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それにしても生活感のない村であった。
人々は何で生計を立てているのだろう。まるでままごとをしているようであった。人生の暇つぶし。牙を引き抜かれた犬がつまらないという理由でとりあえず店だけ開いているというような。
村人の顔はだらしなく垂れ下がり時折笑顔を張り付けた。
実に気が抜ける村である。
私も気が抜けている大会があったなら引けを取らぬほどの気のぬけっぱなさであると自負しているが
そんな私をさらに気を抜けさせてしまうとはなかなかどうしてすごい村だ。
だが心が落ち着く村ではない。大通りは人気がなく大きな山に囲まれている。村を出るにはタクシーを呼ばなくてはならないだろう。ここはそもそも人が住む場所ではなかった。雨が降れば水のたまり沼のような場所で遊園地ができたからこそ整備されたようだ。雨が降ったときには水をくみ出す装置まであるという。遊園地はそんな窪んだ淀んだ溜まった土地の真ん中にある。村はそれを取り囲むように丸く成形されている。村のどこにいてもバベルの塔は眺めることができる。考えてみるとあまり目立つことがないのが不思議なところである。真っ白でずいぶん聳えているはずなのに都会のビルのような威圧感を微塵も感じることはなかった。
prrrrrrrrr・・・・・・・
カチャ「はい、のりまき探偵事務所は潰れました。ほかへ当たってください」ガチャ
prrrrrrrrrrr・・・・・・・・・・・・・・・・・
プツッ
prrrrrrrrrrrrrrrrrr・・・・・・・・・・
prrrrrrrrrrrrrrrr・・・・・・・・・・
がちゃっっっ「うるさいですね。ここは事務所ではありませんっ!!」
「勝手につぶさんでください!!!!」
「んっ、おや、のりさんでしたか。早く言ってください」
「・・・・・・・・・・・・・お願いだから勝手につぶさんでください」
「変な電話が多いもので。通販とかやくざとか。ろくな人脈を持っていませんね。母親に注意されたことはなかったんですか。ああいうのと目を合わせちゃいけませんよっとか。だから用件を聞く前に切っていたんです。早く名乗ってくれないと困ります」
「言う前に切ったでしょう。ちょっと心配で電話をしたんですよ」
「こちらは何の心配もありませんよ。至って平穏です。ここだけ世界から切り離されているようです」
「変な電話は?」
「一昨日当たりからかかってきてません。私にかかればこんなものです」
「それはとても気になるのですが聞かないでおいて帰った時に惨状に涙しますよ。あの子たちだけは、あの子たちだけはしっかり面倒見ていますよね・・・・?」
「あの子?ああネズミですね。芸を仕込んでいますなかなかネズミのくせにかわいいですね。あの皿二枚を頭にくっつけているあいつよりは」
「それならいいんです。電話などがかかってきそうなところは私が話を付けておきますので何もせんでください。『おい、ガキっ、お前は殴られて俺たちを楽しませるんだろうが!いい声で鳴けよっ!!』えっ!?」
「道徳的にまずい声が聞こえましたね。おまわりさんに突き出してあげましょう」
「電話切ります。くれぐれもあの子たちをよろしく!!」