日常会話 side:B
会話のみ。掌編。
「レモン」
「抹茶」
「レモン」
「抹茶!」
「レモン」
「抹茶っ」
「レモン」
「…………もー、分かった、二つ頼めばいいんだよ」
「いや、俺一個全部は食える気しねーから」
「だって私、抹茶が食べたいのに……」
「抹茶っつったってどーせ甘いんだろ?砂糖入れてる茶なんてただの砂糖味だろうが」
「(そんなに苦い抹茶ソフト誰も食べないし…)」
「レモンだね、断然レモン」
「……はぁ。しょうがないなぁ」
「は?そこで諦めるわけ?」
「え?」
「ここまで主張しといて、んな早々に引きさがんの」
「あ~の~誰のせいだとお思いで?海藤がレモンレモンってうるさいからでしょ?」
「…………。つか、ダブルにすればいんじゃね?」
「抹茶とレモンを!?」
「別々に食やいいだろうが」
「だとしても取り合わせ悪すぎでしょ!てゆか、このお店ダブルとかないって」
「ちょっと聞いてみりゃいいだろ」
「む、無理だよ、あ、海藤っ……」
―――間―――
「大丈夫だってよ」
「うっそ」
「ほれ」
「う(色がエグい)」
「なんか、俺らのやり取り丸聞こえだったみたいで、今回だけサービスだとさ」
「ううっ(は、恥ずかしすぎる!!)」
「てことで、俺に感謝しろ」
「なんでそこでふんぞり返れるかなぁ……」
「俺の功績だから」
「はぁ」
「あ、それとこれ」
「え?」
「アイス一個分浮いたから、買って来てやった」
「え?……え!?」
「な?立派に俺の功績だろうが」
「…てか、これ、アイス一個分どころの値段じゃない気が……てゆか、え、い、今買ってきたんじゃないよね、絶対!?」
「あのな……(呆れ顔)。さて、そこで問題。今日は何日でしょーか」
「は?えっと、3月……14日?……って、あれ、え?……えー!?」
「いちいち鈍いんだよ、ばーか」
「だって海藤から貰えるなんて予想だにしてなかったし」
「お前俺のコミュ力馬鹿にしてんだろ?」
「いやそういうことじゃ……てゆうか、あ、あ」
「あ?」
「あ、ありがとう、ね」
「おう。……どうでもいいけどアイスたれてんぞ」
「え、うわ!」
「ひひひ。ばーか」
(遠くの方で店員がニヨニヨしている。)
end




