最終話 失恋
――○△病院――
確かこの部屋だった…
「奈々!大介!無事?」
奈々の彼氏の名は大介。
あたしたちは目を丸くした。奈々と大介の家族がみんな泣いている。
「まさか…」
あたしは2人の顔を見た。
そのまさかだった。
「まる…や…ま」
あたしは泣き崩れた。丸山も2人の顔を見た。
「奈々と大介、死んじゃった。」
ちょっとたったある日、2人の葬式が行われた。泣いていない人はいない。悲しい。
ねぇ。丸山…あの2人にツバサがあったら、事故にあわなかったよね。
葬式が終わった。丸山とは帰り道が同じ。あたしはコクる。2人には悪いけどこれで分かったんだ。
人の大切さを。
もう大切な人を失いたくない。そのためには2人で生きていかなきゃ駄目なんだ。一緒にいれば失う心配もない。それに、君にはツバサがついてる。だから平気。「す、好き!」
丸山はびっくりしてた。
「付き合って!」
「おいおい…冗談はやめろ。」
「!?」
「冗談なんかじゃ…」
「ごめん。冗談じゃなくても。」
「あたしのどこが駄目!?」
「駄目じゃないけど。」
「じゃあ…」
あたしは言うのをやめた。丸山は困った顔をしている。あたしはあの公園に丸山を連れていった。
「あたしにとって最後のダンス見せて。」
あたしはベンチに座った。丸山は笑いながら踊った。なにもかも忘れているように。ダンスが終わった。
パチパチ…
いつのまにかいっぱい人が集まっていた。
丸山は嬉しそうだった。誰もいなくなった公園で丸山はいきなりキスをしてきた。「最初で最後のキスだよ。」
「そういえば、なんで駄目なの?」
「俺…奈々が好きだった。」
涙が出てきた。
「もう帰る!」
あたしは泣きながら家に帰った。その夜は悲しくてさびしくて最悪の夜になりました。あたしの初恋は失恋という形で終わった。
これでツバサは終わります。ありがとうございました!