第4話 残ったもの。
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運転手はポロリと涙をこぼした。
あたしは、
「携帯をかしてください。」
運転手は、
「家族に自分から言う勇気がないので、あなたが家族に説明してください。電話帳に自宅と、登録してあります。」
プルルルプッ…
「はい、仲村です。」
「あのぉ。旦那さんが、車で2人をひいてしまって、あたしは、現場にいたものです。」
「夫が人をひいた…?」
「はい。」
「結婚記念日にこんな…」「場所…場所は?」
「○△公園前の道路です。」
「いますぐ行きますぅ。」
プッ…電話がきれた。
奥さんは泣いてた。とても悲しそうに、いまにも壊れそうな勢いで。ファンファンファン
パトカーが来た。近所の人が呼んだらしく、救急車も来た。
運転手はパトカーへ、2人は救急車へのせられた。パトカーと救急車が行って2分くらいたったとき、運転手の奥さんが来た。
子供と一緒に。
でも、もう、遅かった。
残っているのは、2人の血とあたしと丸山と運転手が流した涙の後と奥さんと子供。また奥さんは壊れそうな勢いで泣いた。子供は慰めるように奥さんの肩をさすっていた。「なぁ、砂緒、俺のせい?俺のせいで、俺が早く渡るように言ったから…」
見てみると、丸山の顔には、涙が…愛しい。一言そう思った。あたしは丸山をギュッと抱きしめた。
「○△病院に行こ。」
「うん。」
あたしもなぜか涙が出た。あたしたちは、自転車に乗って病院まで行った。
「なぁ、砂緒、2人は生きてるよな。」
「うん、絶対に。」
だが、それはあたしたちが思ったことで、現実とは、まったくちがかった。
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