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約束〜父親の会社が倒産したので家事代行のバイトを始めたら、アイドルとお近づきになりました。  作者: 蓮太郎


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15/19

15.熱愛報道再び。

「と、言う訳なのよ。余計な事をして本当にごめんなさい。」


「茜〜。」

詩音は、機嫌を直したのか、茜に抱きつく。

「ちょっと、まだ腰が本調子じゃないのよ〜。」

ヨレヨレしながら、茜は訴える。

「ご、ごめん。」

「私じゃなくて、健人くんに抱きつけば良かったのに。」


「む〜。健人くんにしがみついたのは許してないからね〜。」

詩音は膨れている。

「ごめんって。あれはどうしようもないかったのよ。まぁ、詩音が好きになっただけあって、素敵な人ね。」


詩音は黙って茜を睨む。

「ダメだよ?」


「あはははっ!大丈夫、大丈夫。

私、龍人の事が好きだから。知ってるでしょ〜?あいつ、チャラい様に見えるけど、今回の作戦考えた時、合コンなんか行った事ないって、すごい緊張してた。

今日は頑張ってたし、褒めてあげないとね〜。」

茜は、嬉しそうに龍人の事を話す。


「茜は、龍人くんと付き合わないの?」


「う〜ん。私も一応アイドルだしね。

アイドル卒業したら、考える。」


「誰かに取られるかもよ?」


「恐いこと言わないの。」

心配している事を見抜かれた様で、茜は焦った様子だ。

「私ね、今日茜がもしかしてと思うと、健人くんが取られるって思うと、どうしようもなくなって、あんな態度とっちゃた。私の事思ってくれた茜にも悪い事した。ごめん。」


「いいのよ〜。でも、健人くんの事は、考えないとね。」


「うん。私はどうしたらいいのか、まだ分からない。」


「そうね〜。近々、2人で話してみたら?」


「・・・そうだね。でも、健人くん、家事代行も来てくれないから、話すきっかけがないんだ。」


「無理やり作った結果がこれだしね〜。」

茜は頭を抱えた。


「じゃぁ、私こっちだから。ありがとう、茜。」

詩音は、茜に手を振る。

「うん!また!」

茜も笑顔で手を振った。


次の日、

「おはようございます。」

健人は、相変わらず、覇気薄く会社のドアを開ける。


「け!健人くーん!こ!これは!これは?」


健人を見るなり、店長は駆け寄り、腕をつかむと、テレビの前に引っ張る。


テレビの画面には、熱愛報道再び!

と大きく書かれている。

「いや〜!これは黒でしょ!黒!」

コメンテーターが叫ぶと、前回撮られた写真と、昨日、健人が詩音の腕を掴んでいる写真が並べられる。

「どう見ても同一人物でしょ!」

よりによって、2枚の写真の健人は同じ服を着ている。

「詩音ちゃん!もう言い逃れできませんよー!」

コメンテーターはカメラに向かって叫ぶ。

「ただ、新しい写真の詩音ちゃんは泣いてる様に見えるよね〜。」

コメンテーターは、俯く。

そして、再び顔を上げ叫ぶ。

「この男!詩音ちゃんを泣かせるなんてけしからん!」


「まぁ、まぁ、何があったかは分かりませんし。」

キャスターは、コメンテーターを落ち着かせようとする。


健人がテレビに気を取られていると、店長が叫び出す。

「健人くん!これだよ!熱愛あるの?あるのー!?」

店長は泣きそうだ。

「いえ、まだ無いです。」


「・・・まだ?」


「分からないんです。まぁでも、店長が恐れている様な事は起きないと思います。」


「あらあら。」

近くのイスに座る杏子は、笑う。

「健人くん、素直にならないと後悔してからじゃ遅いのよ?」


「杏子さん!何か知ってるんですかー?」

店長は、杏子にも詰め寄る。

「店長、大丈夫よ。2人共、ちゃんと考えて行動する子達だから。」


「・・・まぁ、杏子さんが言うなら。」

店長は、不安気に肩を落とし、店長室へと入っていった。


「杏子さん、俺、このままじゃダメなんだと思うんですがどうしようもなくて。」


「この報道は、タイミング的にはいいかもね。二人が歩き出すチャンスじゃないかな?もぅ一層のこと、お付き合いしていますー!とか詩音ちゃんが言ってくれたらいいのにね〜。」

杏子は笑う。


「それは難しいですよ。そもそも付き合ってないですし。」

健人は、渋い顔をすると、準備を始めた。


健人がそんなやり取りをしている時、詩音は、自宅で正座していた。


「詩音ちゃん!あれほど言ったのに!これどうすんのよー!」

マネージャーは、頭を抱える。

「ごめんなさい。」

ただ、ただ、詩音は謝る。

「熱愛は無いのよね!?」

マネージャーは、詩音に詰め寄る。

「・・・今は無いです。」


「今は、って?あぁ〜頭がクラクラしてきたわ。」

マネージャーは、詩音の前に正座する。

「事務所の方で対応は考えるから、とりあえず今日の現場に向かうわよ。」

マネージャーは、詩音の肩を優しく叩く。

「待って。大切な話があります。」


「・・・詩音ちゃん、私をストレスで殺すつもりね。」


「・・・結果的にそうなるかも。」


マネージャーは姿勢を正した。


「私、このままお仕事を続けるのは無理です。」


「ハァ。で?どうしたいの?」

マネージャーは、予想通りの展開に、肩を落とす。


「来月の、20歳の誕生日に、アイドルを引退する会見を開きたい。

そこで、健人くんが大切な人だって発表する。」


「それで?」


「アイドルは辞めるけど、女優は続けたい。無理かな?」


「ハァ。事務所と相談してみるわ。」


「ありがとうございます。」

詩音は、深々と頭を下げた。

詩音は、健人への気持ちを伝えるため、熱愛禁止のアイドルを辞める決断をした。


・・・健人くんは、受け入れてくれるだろうか。


不安を振り払う様に詩音は首を横にふる。

詩音は、健人との楽しかった日々を思い浮かべて、撮影現場へと向かった。


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