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超時空宇宙戦艦攻防戦  作者: 宙美姫
8/8

第8話/激戦のゆくえ

リベリオンの中央、プロテクトコアのマキナ。

マキナ「フォトングラビティ、発射!」

バリリアントのキリカ。

キリカ「獣戦艦主砲発射!」

アトランのPBS、齋藤の戦闘装甲、改造オワザビオン、

改造ゼルバイトたちが一斉に連続発射する。

味方から発射された攻撃のエネルギーはやがて1本の線となり、

迫り来るバーサーカースフィアの巨大な目を突き抜ける。

強大な閃光と衝撃波が当たりを包む。

ナンバーワン「まもなく停電します!」

キリカ「構わない! 制動をかける事なく、このまま前進!」

バリリアントのキリカも同じ表情を浮かべる。

直後に鈍い音が辺りを支配する。

強烈な衝突音である。

大量の煙を発生させ、辺りが見えなくなる。

やがて視界がクリアになると、バーサーカースフィアの巨大な目に

ぶっ刺さったリベリオンとバリリアントが見えてくる。

アトラン「やったなあ。」

齋藤「やったねえ。」

リベリオンのプロテクトコアから指示が入る。

マキナ「プロテクトコア、リフトオフ! リベリオンから離脱して、敵中心部へ、突入!」

リベリオンの外壁がボロボロと落ちていく。

その中から、出現するプロテクトコア。

あたりに粉塵を引き起こしながら、その姿が出現する。

元はブルーが乗ってきたシャトルである。

マキナ「行くわよ! 敵中枢へ!」

キリカ、停止状態のバリリアントから離脱し、空飛ぶ改造オワザビオンに合体、

敵中枢に向かう。

キリカ「フォロー、よろしくね。」

改造オワザビオン「うぴうぴ。」

キリカ「だんだん思い出して来た。敵中枢は、この先後少し!」

迫り来る敵異種融合生物兵器を薙ぎ倒しながら進む、人類側戦力の一団。

キリカ「ここ! あともう少し!」

齋藤「どんなラスボスが出るか、楽しみだ!」


全員の一斉攻撃で敵中枢ラスボス居城に突入する。

そこはまるでそれ自体が宇宙を模したような巨大な球状空間。

まるで人類側の仲間たちは宇宙に浮いているようだ。

ナンバーワン「静かですね。敵の攻撃が止まりました。」

キリカ「敵本体の中枢に到達したからでしょう。きっと。」

マキナ「あれは?」

中央に輝く球状の物体。

まるで太陽の光が触手のように伸びているように。

そして、その表面に、まるで太陽の黒点のように、

無数の丸く膨らんだボコボコ状の物体。

マキナ「あれは? あれは!」

ナンバーワン「顔です! 人の、ヒトガタの顔が無数にも!」

プロテクトコアのモニターいっぱいに、その輪郭を強調しサーチされ

表示された無数の『顔』が認識される。

アトラン「これはいったい!」

その時、それまでおとなしかったブルーが、何かを見つけて、

これまでの表情が嘘のように取り乱し出す。

ブルー「兄さん! お兄さん!」

驚く一同。

齋藤「え? なにが?」

取り乱すブルーの額に刻まれた民族の紋章。

それと同じ紋章が認識できる個体がモニターに表示される。

ナンバーワン「ブルーの紋章と、ほぼ一致と確認。」

身体全身で震えるブルー。

マキナ「なぜ? なぜ人の頭が、顔があの表面に埋め込まれているの?

この数えきれない、黒点のような無数の顔が、全部取り込まれた人たちだと言うの?」

その時、声があたりに響き渡る。

声の主「お前たちの共通言語形態を理解した。これからお前たちの言語で応答する。」

マキナ「なにが、いったい?」

声の主「先のサンプルはお前たちの生態がどうなのか探るために派遣させた。」

キリカ「私って事?」

声の主「我々の任務は崇高だ。邪悪な細胞分子を消滅させるためだ。

よくぞお前らはここまで侵入した邪悪分子な細胞と言える。」

齋藤「意味わからん。」

声の主「私はスキャナー。探査装置だ。お前たちの言語で言うなら、

宇宙空間を航行する探査機だ。

お前たちは広大な『宇宙』と言う名の『脳細胞』の中の小さな一つの細胞分子に過ぎん。

その小さな細胞分子が良性か悪性かを私は探査している。」

齋藤「よくわからん。」

アトラン「黙ってろ! 脳筋!」

声の主「私は、この広大な宇宙脳内部に発生したバグを取り除くために、

宇宙脳細胞内をスキャンしている。

お前たちは、巨大で広大な宇宙脳の中に存在する微小の細胞群にすぎない。

細胞群はサンプルとしてこのシャーレ・ペトリ皿に収容される。」

取り込まれたブルーの兄、そして無数の『サンプル個体』。

声の主「そして、その細胞分子群が悪性と判断された場合、

全宇宙脳を守るため殲滅する。

お前たちは悪性と判断された。ゆえに排除する。」

齋藤「私たちが癌細胞って事? ふざけるな!」

ナンバーワン「どうします?」

キリカ「知るか! そんなもの! 信じられるか!」

マキナ「そうよ! 私たちにだって生きる権利はあるわ!

リベリオンとバリリアントを再起動して、あの敵コアにぶつけて、殲滅させるわ!」

その時、ブルーの叫びが響く。

普段静かで感情を抑えているブルーの叫びに、マキナは驚きを覚える。

ブルー「やめて!」

マキナ「ブルー?」

ブルー「やめて! 兄さんを殺さないで! 兄さんを助けて!」

アトラン「しかし!」

齋藤「よりによってこんな時に! 今度はブルーが壊れたか。まいったなあ。」

アトラン「まかせろ! 俺が助けに行く。」

キリカ「私もよ!」

齋藤「いやいや、俺の方が心配してたわ。」

マキナ「みんな、ありがとう! お願いね! リベリオン起動!」

キリカ「バリリアント起動!」

バーサーカースフィア外壁に衝突したままの2機が激しく起動して浮上する。

ナンバーワン「リベリオン機動力回復! 誘導で敵コアに突撃させます。」

キリカ「バリリアンともお目覚めだ!」


バーサーカースフィアの内部組織をガラガラと、次々と崩壊させて爆進する

リベリオンとバリリアント。

アトラン「行くぞ!」

アトランのPBSがブルーの兄を救出に行く。

キリカ「私が先だ! お願いね、改造オワザビオン!」

キリカと合体した改造オワザビオンが返事の鳴き声を上げる。

改造オワザビオン「うぴうぴ。」

齋藤「いやいやいや! 心配してたのはこの私! おまいら、待てえ!」

齋藤の戦闘装甲が遅れて突撃する。

ナンバーワン「リベリオン、バリリアント両機、敵コア到達まであと20!」

マキナ「プロテクトコア、バリア全開! 衝撃に備えます。」


バキバキと爆進してくるリベリオンとバリリアント。

アトラン「まもなくだ!」

ブルーの兄とおぼしきエリアに近づくも、敵コアを守る触手がアトランの

PBSに襲い掛かる。

キリカ「アトラン!」

襲われたアトランを守るため、キリカの改造オワザビオンが救出に行く。

ナンバーワン「あと、8、7、6。」

キリカに救われるアトラン。

アトラン「ありがとう!」

キリカ「時間が!」

だが時すでに遅く、リベリオンとバリリアントの2機が敵コアに突入寸前であった。

アトラン「まずい!」

キリカ「退避します!」

キリカはアトランを抱えてそのエリアから逃避する。

衝突寸前の敵コア。

マキナ「間に合わない!」

ナンバーワン「全機、衝撃に備えてください!」

溢れる涙を流しながら叫ぶブルー。

ブルー「兄さん!」


ものすごい衝撃が走る。

リベリオンとバリリアントが敵コアに衝突し、敵コアが崩壊していく。

息を呑む一同。

ブルー「兄さん! 兄さん! せっかく、せっかくここで会えたのに……。」

悲しみに包まれる一同。


齋藤「ちーっす。あちきのこと、忘れてませんか?」

見ると、戦闘装甲の齋藤がブルーの兄を救出、

抱き抱えてプロテクトコアに向かっている。

マキナ「齋藤!」

ブルー「!」


崩壊寸前の敵コア「こちら探査プローブ21MM392、微小細胞群に反撃され我は消失。

劣化毒性物質と認定された微小細胞群の排除を要請する。」


齋藤「ヒーローは一番最後に現れるってね。ってか、ヒロインか?」

ブルー、その光景に涙する。

ブルー「齋藤、ありがとう!」

齋藤「どういたしまして。」


キリカの改造オワザビオンに支えられながら帰艦するするアトランのPBS。

アトラン「ありがとう。」

キリカ「どういたしまして。」

改造オワザビオンがアピールする。

改造オワザビオン「うぴうぴ。」


その光景をプロテクトコアから見つめるマキナ。

マキナ「おいおい。私だってがんばったわよ。ま、いいか。」

笑みを浮かべながら、ナンバーワン。

ナンバーワン「これから、どうします?」

マキナ「このバーサーカースフィア自体を接収します。

そして改造強化して、私たちの機動要塞とします。」

ナンバーワン「そうですね。」

マキナ「敵はわけのわからんこと言っているけど、

私たちにだって生きる権利がある。決して負けないわ。

ナンバーワンも協力お願いね。」

ナンバーワン「はい! 先輩!」

マキナ「全員に伝えます。これよりバーサーカースフィアを改造し、

新たな機動要塞として、反撃に出ます。

大変な道のりかも知れませんが、みんなの協力が必要です。

みんな、これからもよろしくお願いします!」


その言葉に、ガッツポーズするキリカ、アトラン、ブルー、齋藤、そしてナンバーワン。

マキナの瞳には、決して負けない強い意志の輝きがあった。


THE END.

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