第3話/新たな敵獣戦艦出現! 秘密基地リベリオンを死守せよ!
暗闇の中、意識を取り戻す人物。
「誰? 自分は誰なの?」
目を覚ます人物=敵獣体装甲コマンダー。
敵獣体装甲コマンダーの視界にはいる物。
それはバイオとメカ、無機物と有機物が融合しているコクピット内にいる。
「自分は一体誰? 自分の身に何があったの? たしか、自分はたしか……。」
すると頭の中に、いろんな情報がはいってくる。
「探査? 病原体? なにそれ?」
ぼんやりとしたイメージが頭の中に浮かぶ。
「なに、このでかい球体は? 大きい。大きすぎる。」
声が聞こえてくる。
「何? 誰? あなた誰なの?」
「お前に使命を与える。お前はお前が来た場所に戻れ。
そしてその場所を我々に伝えるのだ。心配ない。
お前は、ただ来た道を戻るだけで良い。」
リベリオン内検査室
異形のオワザビオン、パルサバイトが複数体、検査のために持ち込まれている。
神妙な表情のマキナ。
必死に何かを探すブルー。
やがて何点かを確認し、身体全身で震えだすブルー。
今まで無表情であったブルーが感情をむき出しにして泣き崩れる。
ブルー「みんな! みんな! こんな姿になって!」
何もコメントできないマキナ。
マキナ「わかってる。わかってはいたわ。これは人間のパーツ。
だが自分たちと同じ地球人ではない。
と言うことは、やつらは、敵は征服捕獲した人間の体をパーツにして兵器を。」
ナンバーワン「様々な異種生命体の身体のパーツが組み合わされて、
ひとつの兵器として形成されています。
特徴的なのは、各個体に通信装置みたいなものがあり、それで敵に洗脳操縦され、
敵本体にデータを送っていたのかと。」
マキナ「なんて事。じゃあ、私たちも捕まったら。」
ナンバーワン「私たちも、この兵器のパーツになるのかと。」
マキナ「キリカも。」
荒廃した大地
超獣ミサイルが落下してくる。
爆発を起こしながら発生させた巨大クレーターの中から、
粉塵を巻き上げて姿を現す巨大な獣戦艦。
ナンバーワン「超獣カプセルが落下、その中から出現しました。
新型です。既存のデータにありません。」
マキナ「かなり大きいわね。もはや私たちの居場所はばれているから、
敵も大型できたわね。(ブルーに向かって)知ってる?」
ブルー「あれは、陸の魔王、獣戦艦バリリアントです。」
ブルーの表情が曇る。それは獣戦艦バリリアント自体も、
征服された人々のパーツを使っている事を。
不気味な複数の笑い声をあげて迫り来る獣戦艦バリリアント。
マキナ「対肉弾戦に移るわ。接触接近戦よ。陸戦特攻部隊、出撃準備。
リベリオン、対接近戦強攻型に変形開始!」
艦内出撃デッキ
基地内にアナウンスが響き渡る。
ナンバーワン「陸戦特攻部隊、出撃してください。
本艦リベリオンは対接近戦強攻型に変形します。オールグリーン。」
アトラン「(そのアナウンスを聞いて)ちっきしょう! 彼女の仇だ!
俺はPBSで応戦する!」
齋藤「いいね! あたいら戦闘装甲とお前のPBSとの共闘だ。がんばろうぜ!」
マキナ「リベリオン、リフトオフ!」
ナンバーワン「強攻型に変形中。現在35%。陸戦特攻部隊、出撃しました。
修理完了した残存PBSも出撃。」
マキナ、アトランの乗るPBSが気に掛かる。
強攻型に変形中のリベリオンを背後に、齋藤の戦闘装甲とアトランのPBSが
連携を保ち獣戦艦バリリアントに攻撃を仕掛ける。
だが、獣戦艦バリリアントは物ともしない。
齋藤「強攻型への変形の時間稼ぎにしかならんか。」
アトラン「いいんだ! それでも!」
齋藤とアトランが息のあったコンビ攻撃を展開。
その光景をサブモニターで気を取られるマキナ。
ナンバーワン「来ます!」
その声で我に帰るマキナ。
ナンバーワン「リベリオン強攻型変形完了まで10、9、8」
ケタケタと不気味な笑い声を上げて迫り来る獣戦艦バリリアント。
ナンバーワン「敵獣戦艦バリリアント、まもなく接触します!」
強攻体型に変形するリベリオン。
ナンバーワン「3、2、1! リベリオン強攻型変形完了! 敵と接触します!」
廃墟と化した地表の上で2つの巨体がぶつかり合う。
強攻型となったリベリオンと獣戦艦バリリアントがぶつかり合う。
マキナ「このままじゃラチが空かないわ! フォトン・グラビティ発射準備!」
ナンバーワン「しかしフォトン・グラビティの砲口は溶けたままです。
遠距離は狙えません。」
マキナ「敵は目の前だから、距離はいらないわ。」
ナンバーワン「でも、フォトン・グラビティを撃つと停電して
一時止まってしまいます。」
マキナ「でも目前の敵を沈黙させるなら、それでいいわ! まずは敵を沈黙させる事!」
ナンバーワン「了解! 強攻型フォーメーションからフォトン・グラビティ発射準備
展開します!」
ブルー「狙うのなら、ここのポイントを。」
マキナ「ありがとう、ブルー。」
つかみ合う2体の巨体。
リベリオンの上半身が変形しフォトン・グラビティの発射体制に入る。
ナンバーワン「フォトン・グラビティ展開。発射体制まであと30。」
獣戦艦バリリアントのコアコクピット、そこに融合する敵獣体装甲コマンダーが
なにやら反応する。
ナンバーワン「獣戦艦バリリアントに異変が。口頭部分にエネルギーの収束を確認!」
マキナ「あれは?」
ブルー「たぶん、向こうも主砲を撃つのかと。」
マキナ「面白いわね! お互い撃ち合うのね。やってやろうじゃない!」
齋藤「やべえ! 避難するわよ!」
アトラン「あの物陰へ!」
溶けて隆起した大きな廃墟の物陰へ避難する齋藤とアトラン。
ナンバーワン「リベリオン、全エネルギーをフォトン・グラビティに伝達。
エネルギーチャージ、80、90、100。」
リベリオンのフォトン・グラビティ口に光子が集まっていく。
その時、アラートが鳴る。
ナンバーワン「敵獣戦艦バリリアント、砲口と思われるポイントにエネルギー増加中。」
獣戦艦バリリアントの砲口に邪悪なエネルギーが集約する。
白い光と黒い光の粒子が踊るように交差する。
あたりに振動を起こしながら、2つの巨体が今、発射しようとしている。
ナンバーワン「エネルギー伝達150%!フォトン・グラビティ発射準備完了!」
獣戦艦バリリアントのコアコクピットの敵獣体装甲コマンダー、何らかの指示をする。
マックス状態の獣戦艦バリリアントのコアコクピット。
マキナ「フォトン・グラビティ発射!」
コアコクピットの人物、指示を出す。
強力な閃光。
地響き。
衝撃波。
地上の齋藤とアトラン、地表の物陰でお互いを庇い合いながら見上げる。
齋藤「おお! どうなった?」
2つの巨体はお互いが損壊し、停止する。
齋藤「お互い停止しちまった! やべーな!」
アトラン「あれは……。」
停電して緊急電源がつくリベリオン司令室。
マキナ「どう?」
するとお互い衝撃で傾き合い、損傷したリベリオン司令室と
獣戦艦バリリアントのコアコクピットがむき出しになる。
距離は結構あるものの、お互いがお互いを直視で認識するまでになる。
マキナ「あれは?」
獣戦艦バリリアントのコアコクピットに融合合体した敵獣体装甲コマンダーと視線と合う。
敵獣体装甲コマンダーとマキナ、お互い何かを確信する。
マキナ「!!!!」