麦わら帽子が飛んでゆく
真夏の陽射しに
少しだけまなざしを
地面に落とす午後
今年も暑い夏は
やってきて
たくさんの汗と
想いの雫が溢れては
陽炎のように
消えていく
時折吹く強い風に
心まで飛ばされないよう
ぐっと肩に力を込めて
麦わら帽子が飛んでゆく
青い夏の風に吹かれて
今年も駆け足に
夏は通り過ぎ
気がつけば八月の空
書き足りない手紙のように
心はまだどこかに
余白を残して
麦わら帽子が飛んでゆく
風向きは日々変わっていく
追い風ばかりではなくて
向かい風や横風
そんな日もあるけれど
時には風に吹かれるままに
気まぐれな行き先も
楽しんで次に進めたら
麦わら帽子が飛んでゆく
ひと夏の想いとともに
風はまた巡る
季節はまた巡る
人も想いもチャンスも
きっとまた
巡ってくるから
麦わら帽子が飛んでゆく
夢のかけらとともに
見失いそうになった
夢の行き先は
あの風に訊いてみよう
行き方はきっと
いくらでもある
生き方だって、きっと
麦わら帽子が飛んでゆく
今しかない「今」とともに
焦らず今を楽しもう
この今を大切に
未来は「今」の積み重ねだから
麦わら帽子が飛んでゆく
忘れられない想いを残して
夏風がさらった涙は
秋に澄んだ空と
美しい夕陽に変わると信じて
夏はまだまだ
続いていく
最後まで悔いのないように
麦わら帽子よ飛んでゆけ
踏み出せなかった、自分ものせて