イベント編
登場人物
ルイス 主人公。王子様を目指して修業中。無類のドラゴン好き。
ペルタ 勇者。ルイスの護衛。ルイスに協力してもらい、結婚相手の王子様を探している。どこか魔女っぽい。
アンドリュー 勇者。ルイスの護衛。真面目で言動がお堅く厳しい。
ユメミヤ 旅の娘。貞操観念が強くおしとやか。ルイスに片想いしている。
ロッド 王子様。ルイスと歳が近く仲が良い。
辰年
ルイス「辰年が終わってしまうね……」
ペルタ「ルイス君、寂しそうね」
ルイス「寂しいよ。次、辰年が来るのは十二年後だからね。もっと思い出作りたかったな。龍やドラゴンとの思い出を……辰年だから、いっぱい会える年だと期待してたんだけどな」
ペルタ「私もよ。龍のごとく、シンデレラ城の階段を駆け登って王子様と結ばれるのを期待してたんだけど」
ルイス「海に行った思い出しかないよ。もちろんそれも特別な思い出だけどね!」
ペルタ「そうね! だけど、海でもっと王子様と特別な思い出を作りたかったわ……」
ルイス「お昼から帰るまで爆睡してたよね」
ペルタ「そうなのよ! 夕日が沈む海を見ながら王子様と――! それが目的だったと言っても過言ではないのに私ったら!! でも、王子様も爆睡してたし……仕方ないわよね!?」
ルイス「そうだよ。遊び疲れて寝ちゃってたんだ。王子様も楽しい思い出ができたと思うな。ペルたんとのね!」
ペルタ号泣「ありがとう! ルイス君! そう言ってもらえると救われるわ……来年こそは、来年こそは! 王子様と結婚するから見てて!!」
ルイス苦笑い「楽しみにしてるよ! 僕も来年こそはドラゴンに会いたいな」窓辺でぼんやり
ペルタ「ルイス君、ドラゴンの他に大事な目標を忘れてない?」
ルイス苦笑い「そうだった! 王子様にならないとね!」
ペルタ「そうよ! 来年こそはそろそろ」揉み手
ルイス「来年こそは何か結果を出せればいいな。ドラゴンと出会うか、王子様になるか、ペルたんが王子様と結婚するか、僕たちの物語が賞を獲るか、書籍化するか」
ペルタ「無理ゲーが増えてるわよ……」
ルイス苦笑い「弱気はいけないよ。全部叶える気持ちで行こう!」
ペルタ「そうね! 行きましょう!!」
ロッド「どこに行くの? 年越しそば食べないのか?」
ルイス「そうだ! 年越しそば待ってたんだ。辰年を振り返ってたら、つい熱くなっちゃってね」
ロッド「熱いのは年越しそばだけにしとけよ」
ペルタ「そうね、いただきましょう。来年叶えたい願いを込めながら、そばが切れないように。ズルズル」
ルイス「いただきます。ズルズルズルズルズルズル……」
ロッド「めちゃくちゃ願いごとが多いみたいだな。まぁ、今年はパッとしない一年だったし来年に掛けたくもなるか」
ペルタ「ロッド君は恋多き一年だったようね。三角関係を経験したりして」
ルイス「ドラゴンのように人気だったね」
ロッド「恋なんかで人気になりたくないんだけど」
ペルタ「王子様とは思えない発言」
ルイス「お仕置きの塔で年を越すことになるよ」
ロッド「厳しすぎだろ。良いことなかったからって俺に当たるなよ」
ルイス「ごめん、つい」
ロッド微笑み「いいさ、来年は良いことあるって」
ルイス微笑み「ありがとう。ロッドにもね」
ペルタうるうる「なんて、美しい友情なのかしら」
ユメミヤ「見習いたいです」
ペルタ「そうね、ユメミヤ。来年は仲良く一緒に王子様を探しに行きましょう! 恋多き一年になりますように! 初詣にも行きましょう!」
アンドリュー「お前は煩悩を払うために、除夜の鐘と一緒についてもらえ」
ペルタ「ふんっ、来年もアンドリューには悩まされそうね!」
アンドリュー「俺がお前に言うセリフだ」
ルイス「まぁまぁ、みんなで初詣に行こう! 空をドラゴンが飛んでないか探しながらね!」