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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役令嬢はこの国一番の悪役になる為国中の悪党を集めて抹殺する事にした

作者: 田中まもる

 私がこの国一番の悪党になるの、親の権力を最大限に利用して、王国一番の悪党を決めてその直後に競技場を爆破して、唯一の悪役令嬢になるのが私の夢。私は七人兄弟姉妹の3番目上二人は頭脳明晰で注目された。下四人は美しさ、魔法能力の高さ、末っ子はなんと未来予知が出来る。私は残念ながら性格が悪い以外に何の取り柄もない。これを世間ではミソッカスと言う。


 だったら、国中一番の悪に私はなると決めた。正直言ってそれぐらいしか一番になれないと思ったから。かなり虚しい。


 悪党は私と同じで金に弱くて、名誉が欲しい。欲だけ深い。自分がそうなのだからよく分かる。


 バカな子ほど可愛いと言う言葉がある様に、父上は私を溺愛していたのでお金の心配はまったくなかった。


 問題は出来る兄弟姉妹、特に未来予知が出来る末っ子の存在だ。彼女は聞かれた事しか答えないので、父上が彼女に尋ねさえすれば問題がないのだが、お金が絡む問題になると間違いなく、父上は彼女に尋ねるはず。そして彼女は姉上が満足する未来。競技場を再建するための莫大な費用と死者、負傷者への補償に幾らかかるか話すはず。それは困る。私のお願いは即座に却下されるから。


 彼女をどこか遠くにしかも長期間帰って来られない様にしないといけない。良いものがあった魔法使いの能力を更に向上させるための、合宿研修がある。期間は三ヶ月、これに彼女を参加させよう。父上に彼女の未来予知能力更に向上させるのにこの研修はうってつけですと、父上に勧めて見たら面白い様に食いついて来て、彼女は研修に参加する事になった。


 ウチには私兵がいるのだが、向上心もないので、いざとなったら速攻で逃げ出す連中ばかり。お飾りに過ぎない。これを利用しない手はない。父上にもっと勇猛で強い隊長を選ぶ為の選抜大会が必要ですと言い募った。我が家は常に狙われていますと父上を説得した。


 参加者に多少の犯歴があってもまったく問題のない選抜競技大会をしましょうと、父上もけっこうお金がかかるので、溺愛している娘のお願いでもなかなか、うんと言わなかった。私は父上が他の貴族に乱暴されるのを黙って見ているおつもりなのですねと、泣き真似をしたらやっと許可が出て、隊長選抜競技大会が開催されることになった。


 私は大会の3日前から競技場の要所、要所に爆発魔道具を設置して回った。優勝者が決まった時点で私自ら起爆ボタンを押して競技場全体を吹き飛ばす計画だ。しかし予想外の事が起こった悪党が弱過ぎて私が目を付けていた悪党はほぼ全員が初戦敗退で、二回選でいなくなってしまった。


 残ったのは元他国の戦士長とか傭兵とか、多少悪い事もしているだろうが、戦場では、それは悪にはならない。ガッカリだ。悪党には根性がなかった。忍耐力もなかった。私がそうだからよく分かる。


 優勝決定戦が行われる。下馬評では圧倒的に戦士長だったが、油断したのか、傭兵に足を刺されて、動きが鈍くなったところで傭兵の猛攻撃。降参の合図を戦士長が出して試合が終了した。さて、ボタンを押そうと思ったら、体が動かない。私はボタンが押せずに前にゆっくり倒れ始めている。


 顔を上げると彼女がいた。お姉様の未来はここで一人爆死する事ですと言って去って行った。私が倒れる先には余って片付けたはずの爆発魔道具が置かれていた。イヤ、イヤ死にたくないでも体は硬直したままゆっくり倒れ続ける。誰か助けて。


競技場の大歓声で小さくボンと鳴った爆発音は掻き消されていた。

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