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第1章 なぜ勇者より無職の俺が色々と格上なのか? 第2話 親友

ナブリー=魔族の中で最強の回復魔法の使い手。

「——————————————ん、こ、ここは..........」


「お、やっと起きたか」


 ふと横を見ると、俺の横にはさきほど闘った大男がいた。


「レオンか、どうしてレオンもここにいる?」


「テンリが倒れたからの、妻を呼んで治療してもらったんだ」


「どうも、わたくしレオンの妻であります、ナブリーでございます」


 軽くお辞儀してくれた美しすぎる女性がレオンの妻だと!?


「てめぇ、レオン! 俺に負けたんだから奥さんよこせ!!」


「あらあら」


「おい! た、たしかに負けたが妻だけはやらんぞ!」


 いい女性なのに.........。ってあれ? 腕と足があるぞ!?


「おいレオン、俺の腕と足生えてんだ? たしかおまえのバカみたいな隕石に取られたんだが」


「それは、ナブリーが治したんだ」


「えぇえええええ!!! 腕とかって生やせられるのかよ!」


 驚きである。腕が生やせられるこの世界に、そしてレオンの妻であるナブリーさんに。あぁ、美しい。


「ナブリーさん、どうもありがとうございます」


「いえいえ」


 うつくしすぎるなナブリーさん。角がはえてるけど。ん? 待てよ、角!?


「お、おいレオンってなんで角生えてんだ...」


「おいおい、知らないとか言うんじゃないだろうな」


「うふふふふふふ」


 シンプルにこの世界についてほとんど知らないな。せっかくだからレオンにあらかた話してもらおう。


「我は、魔族だ。テンリたちヒト族と戦争の真っただ中である種族とでも言うとわかりやすいかもな」


「おいおい、何でよそれ。だから、急に襲ったんか」


 レオンはコクンとうなずいた。


「しかし、魔族を知らないやつもいるもんなんだな。ヒト族は魔族をすごく嫌うのだがな」


 俺は転生したことは伏せといたほうがいいと判断し山奥に住んでいてこの世界の常識がまったく知らないということにした。


「そういうことだったのか、急に襲ってしまって申し訳ない」


「いや、気にすんな友達だろ?」


「と、ともだち!?」


「あらら」


 驚くレオン、微笑むナブリーさん。なんか変なことを言ってしまったか?


「テンリよ、本気で言っておるのか?」


「あぁ、1度本気の拳を交えた奴は友達だ!」


「あはははははは! テンリはおかしな奴だな! 魔族と友達とか聞いたことないわ!」


 爆笑しているレオンに俺は首を傾げてしまった。ナブリーさんも驚きの表情を隠せてないのか口をポカンっと開けてしまったままでいる。


「だ、だめかよ!」


「いや、我もテンリと友達になりとうおもっていたわ! これからよろしく頼むぞ」


「あぁ」


 俺はレオンと厚い握手した。これがのちのヒト族と魔族の間の懸け橋になることは誰も知らない。


「わたし、今すごく驚いています」


「どうして?」


 突然ナブリーさんが訳のわからないことを言い出した。


「うちのレオンはね、ヒト族嫌いで有名なのに、それが今ヒト族と友達になったこと。レオンは1度も負けたことがないほどこの世界の絶対強者であるのに、そんな人が負けたという事実。驚きっぱなしですよ」


「レオンってそんなに強いのか!!」


 ナブリーさん曰く、レオンは魔族の中のトップ4人に与えられる称号である魔王のうちの1人。しかも、その中でも1番強いものに与えられる称号である魔王帝、いわば魔族の国王である。そんな化け物とついさっきまで闘っていたと思うとゾっとしてしまう。


「だから、テンリさんは現在世界で1番強いということが証明されています」


「勝ったのは偶然だろ?」


「この間闘ったヒト族の勇者はテンリ放った最初の技で倒したぞ」


「え!? あんなので!?」


「テンリが異常なだけだと思うが.........」


 そして、この後1週間ほどレオンとナブリーさんにお世話になった。レオンとは酒を飲んだり、釣りをしたり色々として親友とまで呼べるほどお互いを認め合っていた。レオンはよく娘2人の話をよくする。レオンの娘のどちらも魔王しているが1度も会えなかった。今ヒト族との戦争で遠くに行っているらしい。俺は、魔族と戦争をしているヒト族の国に興味を持ち、ヒト族の国を目指して旅に出ることにした。


「今まで色々ありがとなお二人さん」


「いえいえ」


「気にするな、しかし娘たちにも紹介したかったなぁ」


「まぁ、一生会えないわけではないだろ?」


「あぁ、また近いうちに会おう!」


 別れ際に厚い握手をした。









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