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30話 地竜輸送に出発…していませんでした。

前話のあらすじ:地竜を討伐したことが大ごとすぎて、ギルドのロビーで【現実世界の時間で2年近く】待たされたのですが、やっと出発するようです(?)

 ギルドのロビーへ来た私たちは、輸送隊が集まるまでくつろぐことにした。


(…?何かすごく視線を感じるような…?)


「地竜の報酬ってすごそうじゃない!!?アタシ何買うか今から楽しみ!」


 …最後の笑いが不穏な予感がするけど、エリーはもう報酬のことで頭がいっぱいのようだ。


「なんだかまだ実感が湧かないんだよね。これは夢なんじゃ…って、アイタタ!エリー、ほっぺたつねらないでよ。もう」


「ほらー、夢じゃないよ!げ・ん・じ・つ!」


「まぁまぁ、興奮する気持ちはわかるけどザンネンのほっぺたがお餅みたいに伸びちゃってるわよ。そのへんにしておいてあげてね」


「はーい、お姉ちゃん」


 みんなで地竜との戦いやこれからのことについて色々と話をしていると。


(でも何百人もの人を集めるとなると、今日中じゃ無理なんじゃないのかしら?)


 そんな事を思っている、まさにその時。


 ムキムキマッチョなギルマスがロビーに現れた!


 ・→戦う

  →逃げる

  →筋肉を堪能s


(…!)


 そんな事はさておき、ギルマスが近づいてきて。


「よし、輸送隊のみんなも集まったことだし、お前たちも疲れているだろうが早速出発しよう」


「「「「え…?」」」」


 まだ報告してから30分も経ってないんだけど、何でそんなに集まるのが速いの…?そんなみんなの疑問を解消するべく、トーマスがギルマスに質問する。


「えぇと、準備が整うのがちょっと早すぎる気がするのですが?」


「…それが、ここのロビーにいる冒険者だけでも100人、いつの間にか町にいた冒険者が自主的に参加してきたのが400人。是非とも参加したいと申し出てきたのだ」


「「なにそのスピード感」」


 私とエリーがキレイにハモってしまう。


「ちなみに何かの団体に所属しているようで、恐ろしく統一感のある行動をしていたぞ。あぁ、素性が怪しいような連中じゃないから安心してくれ。輸送には私も同行する」


 今回の冒険はムキムキも同行するようです。


 …輸送隊はすでに町の外で荷馬車や台車とともに待機しているというので、私たち&筋肉は街の外へ向かった。そこには500人もの【男性】冒険者が背すじをビシっと伸ばしながら待機しており、服装はバラバラだとはいえ、まるで軍隊のようだ。


「冒険者…?この街にあんなに待機中の冒険者いたっけ?」


 エリーの疑問はもっともで、あれほど統率された冒険者がタイミングよく街にいるんだろうか?まるで何かがあった時に備えて、あらかじめ予備戦力として残されていた部隊のような…?


 謎の集団への疑問は尽きないけど、ぼーっと考え事をしている状況でもなかったので、輸送隊として参加した冒険者たちの方へ近づこうとすると…。


「「「「「お待ちしておりました!!!」」」」」


「!?…あ、ハイ、こんにちはさようなら」


「「「さよならしちゃダメでしょ!」」」


 まだ距離があるにも関わらず、なぜか私に向けて15度のお辞儀と挨拶を繰り出してきた冒険者(?)たちの挨拶に混乱して、私が変な挨拶を暴投気味に投げ返す姿を見て、仲間たちから素早いツッコミが入る。


 途端にヒソヒソと相談し始めるミリアファンクラブの親衛隊員たち。


「おい、ミリアさまに今回の任務に俺たちが参加していると知られる訳にはいかん!挨拶を我慢出来なかったやつは誰だ!?」


「254番の、お前が一番最初にお辞儀し始めたクセに、何を言っているんだ!」


「39番の、どうする?」


 彼らの会話は聞こえないんだけど、一人の男が代表して何かを喋るようだ。


「やれやれ、これだからローナンバーは…。今回の任務でミリアさまに視線を向けたり挨拶したり、輸送隊の一員としての立場を越えてお手伝いしようとしたりすることは厳禁されている。今後破ったものは、ミリアさまの獲物を運搬するという大変名誉なこの任務からは外すので、そのつもりで臨め!」


「「「「おー!」」」」


「何の会話かわからないけど、仕事の前に檄でも飛ばしたのかしら?」


「あの人たちすんごく仲が良さそうなんだけど、どういう団体の人なんだろうね?」


「アタシがわかるわけないじゃん。それより早く行って早く帰ってきてお買い物♪」


 そんなこんなでやり取りをしている内に無事合流出来たので、ギルマスから挨拶があるようだ。


「これから現場へ向けて出発するぞ!地竜を運ぶという素晴らしいトレーニング(任務)に参加してくれた諸君!ありがとう!」


「今あの(へんたい)トレーニングって言わなかった?」


「…後でソーマあたりにチクっておけば問題ないだろう」


 呆れたのが数人、先行き不安なのが数人、ともかく獲物を運ぶために出発する私たちであった。

いつも私の小説をお読みいただきありがとうございます!


2年のブランクを経てぼちぼち続きを書いていき・・・いけるかな@@;


ちなみに後書きネタが本編に絡んで来とるやんけ!っと思ったそこの紳士淑女の皆さま。


「そういうこともある!」


引き続きこの小説をお楽しみいただければ幸いです。


ぺこり。

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