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20話 リーダーと、有能魔法使い少女と、あの能力の持ち主

前話のあらすじ:ミリアのファンクラブは既に存在していた。更には親衛隊なる組織が勝手に出来ていた。

「貴女が有名なミリアさんか? 他の連中が噂している通りの美人だな。俺はトーマス・ショートマン。今回の調査で一緒に組む事になる。よろしくな」


 トーマスというこの男性はロングソードを肩に背負い、歴戦の剣士であることを思わせるような傷跡が顔に残る男だ。


「こちらこそ、よろしくお願いします。ミリア・マンシュタインです」


「ああ、丁寧に喋らなくてもいいぞ。これから依頼を一緒にこなす仲間なんだからな」


(さすがソーマ、まともなパーティーを選んでくれたみたいね)


「お前達もミリアに挨拶しろ。これから一緒に行動するんだからな」


 トーマスが他の2人に挨拶するよう(うなが)す。


「初めまして、僕は斥候(せっこう)を務めているザンネン・ソレガアッタ。主に偵察や哨戒(しょうかい)。それと獲物の素材の収集を担当しています。よろしくね」


「ブフォー!!」


 私は盛大に驚いて、美少女にあってはならない顔をしてしまう。


 他のみんなは私のリアクションの意味がわからないらしく、キョトンとしている。


(ちょっと待って! いくら異世界とはいえザンネン・ソレガアッタって言う名前はありなの!? 地球だったらいくらなんでもかわいそうな名前なんだけど!!)


 とんでもない名付けセンスに私は我慢できなかった。


(誰もすごい名前だと思ってないみたいだから、この世界ではおかしい名前じゃないのね)


 でも失礼がないように気を付けよう。


 もう盛大に吹いたあとだけれど、気にしてはいけない。



「よ、よろしくお願いします」


 なんとか動揺を隠しながら挨拶を返した。


「アタシはエリー・オリエンテ。魔導士よ。魔法学院を首席卒業した天才魔導士。よろしくね」


 私より幼く見える、つるぺた美少女が挨拶してくる。


 魔法学院というものがある事に興味をそそられたが、今は挨拶の途中だ。


「よろしくね、エリー」


 多分年下だろうと思ってフランクに挨拶したら。


「ふん! ちょっと胸が大きくて美人だからって、調子に乗らないでね!!」


 おっと、なんだこのつるぺたツンデレロリ美少女。


 けっこう挑発的である。


 スレンダー巨乳超絶美少女である私にケンカを売ろうというのか。


 そのつるぺたでは勝ち目はないと思うぞ。


 小さい方が好きな人もいるだろうけれど。


 でも、私は元男(24歳)なので、子供の嫉妬に付き合うつもりは無い。


「えへへ、外見はさておき、気分を悪くしたのなら謝るわ。許して?」


「ふ、フン! 最初から素直に私にも丁寧に挨拶すれば良かったのよ! 私は優秀な魔導士なんだから、森ウルフ討伐の時に腰をぬかすといいわ! でも、特別にエリーって呼んでもいいわよ!」


(なんというツンデレぶり……。前世なら、こういう子が大好きな大きなお友達が、どんどん集まりそうだ)


 リーダーのトーマス以外は色々とキャラが濃い気がする。



「俺達はもうソーマからミリアさんが時間を停止するスキルを使える事は聞いている。俺は見た目通りの剣士だ。15歳で冒険者登録をして、今年で30歳になる。剣士としてはベテランのつもりだ。安心して欲しい。このパーティーのリーダーで、冒険者ランクはCだ」


 やはりトーマスはベテラン剣士のようだ。


 一番まともそうな気がする。



「アタシは16歳。魔法学院主席卒業は伊達じゃないわ。冒険者ランクはD。まだ冒険者登録してから日が浅いけど、ここまでランクが上がったのは、私の魔法がすっごいからだからね! 聖属性以外なら全ての属性の魔法を使えるし、火属性に関しては上級魔法も扱えるわ! どう? すごいでしょ!」


 ツンデレつるぺたロリ少女のエリーは単純な魔導士としては優秀なようだ。


 私は時間停止以外の事が、今のところできないので、彼女の実力は尊敬するべきだろう。


 しかし、どう見ても16歳には見えない。


 ロリだ。


(本人には口が滑っても言わないようにしなくちゃ)



「僕は26歳。持っているスキルは……けん玉に絶対失敗しないスキルだ……」



 !?!?


(お前かー!?!? ソーマが言っていた切ないスキルの所持者はお前なのかー!?)


「え、ええと、それはどういった……?」


 私は目の前にいる男性に、なんと声をかけたらいいのかわからなかった。


 ザンネンな名前。というよりザンネンという名前。


 しかもソーマから前に聞いた(けん玉に絶対失敗しないスキル)の持ち主が目の前にいるのだ。


 いったいどう反応すればいいのだ。


「その気になれば、けん玉のけん先に、玉の糸穴を乗せることだって出来るよ」


「……。そ、そうでしたか、ハイ」


「けん玉のどんな技でも失敗しないからね。……冒険者として役立った事はないけれど」


 それはそうだろうけど、この切ない気持ちをどうすれば……。


「冒険者登録をして、スキルの名称を聞いた時には、すごく落ち込んだ。でも、それならそれで、自分が出来る事を一生懸命頑張ったのさ。剣は苦手だけど、弓を使えるし、斥候としての能力はトーマスにも評価されてるよ」


 ザンネンは残念なスキルにも負けず、前向きに努力した苦労人のようだ。性格は誠実なように見える。


「そうだったのね。いろいろ大変だったと思うけど、努力してカバーするのはすごいと思う」


「ありがとう。認めてもらえるとうれしいよ。冒険者ランクはトーマスと同じCだ」


 トーマスとザンネンがCランク。

 エリーはDランク。

 そして私もCランクに無理矢理あげられたばかり。


 これなら、あの臭いウルフにもひけはとらないだろう。


「私は冒険者登録をしてから日が浅いから、皆の足を引っ張らないように頑張ります!」


「そのへんの事情も、ソーマから聞いている。戦いになった場合の連携や、俺達の戦いの進め方は、西の森に向かいながら説明しよう。ソーマは他に何かミリアに説明はあるか?」


 やはりトーマスはベテランかつリーダーなので、頼りに出来そうだ。


「はい、ミリアさんは昨日冒険者向けの用品店で、一通り必要なものは購入されたかと思いますが、トーマスさんのパーティーはテントありましたっけ?」


「ああ、俺が2人用を1つ持っていて、ザンネンが2人用をもう1つ持っている。ミリアさんとエリーが一緒に寝るといい。夜の見張りは不要だ。ザンネンは寝ていても気配を察知出来るからな」


(寝てても気配が察知出来るなんて、ザンネンも結構すごいじゃないの。けん玉に絶対失敗しないスキルが、逆に原動力になったのかしら)


「エリーが水魔法を使えるから、水の確保については心配ない。今回の調査は1泊2日で想定しているが、ミリアは保存食を持っているか?」


「はい、昨日買っておいたので大丈夫です」


「よし、森の中で煮炊きすると、モンスターが寄ってくる場合があるから、今回は保存食でやりきるぞ」


「さすがに僕が気配を察知するとはいえ、不要な戦いは避けたいからね。もっと長期間に渡る時は、食材ごと持っていて、現地で料理することもあるけれど」


 さすがはベテラン2人+ロリ天才魔導士のパーティーである。

 がぜん今回の調査に安心感が出てきた。


 いや、油断は禁物だ。


 トーマス達に危険が及ばないように、私も精いっぱいのことはやる。


「では、皆さんご準備も整ったようですので、先に西の森にある、癒し草自生地周辺におけるモンスター調査の依頼前金をお渡ししておきますね」


 ソーマから一人ずつ金貨を受け取っていく。


「よし、じゃあ出発しよう」


 私を加えて、4名になったパーティーの初めての出発となった。


【ザンネンのけん玉講座】


やぁ、僕だよ。


けん玉やったことあるかい?


ちなみに作者はこんなネタ書いてるのに、子供の頃にやったくらいで実は下手くそらしいよ。


このネタを思いついたのは、某演〇歌手さんの影響なんだ。


けん玉に絶対失敗しないスキル持ちの僕には、ギ〇ス達成なんて楽勝だよ。


……冒険者にとっては何にも役に立たなかったけどね(遠い目)


さ、僕のことはさておき、ここからは楽しく練習してみよう!


まずは基本的な大皿から!


???……すごく華麗な玉さばきだ……。



ごめんなさい、いつものです。


本編とは関係ありません。


いつも私の小説をお読みいただきありがとうございます!


よろしければそのまま本編(後書きも?)をお楽しみください。


今なら、あなたにもけん玉に絶対失敗しないスキルを授けます。


ぺこり。

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