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ダンジョンの研究は生物学で。  作者: ミツユビナマケモノ
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第一階層:裁判

 朝だ。


 正確には、外と通じる窓がないので体内時計によるとだ。


 朝のごはんの黒パンをかじっていると、看守のおじさんが来た。


 裁判の準備が整ったので呼びに来たらしく、兵士も隣にいる。


 「被告人モルネス、罪は悔いたか。司教への懺悔の用意をせよ。」


 そう言って兵士は縄を僕の手にかけ、立たせた。


 石作りの静かな廊下を兵士に連れられ、歩いてゆく。


 足音だけが、カツーンカツーンと音をたてる。


 そのうちに、扉が見えてきて、兵士のひとりが、


 「被告人、到着しました。」


 と扉の向こうに声をかけた。


 「はいれ。」

 

 の一言とともに扉が開き、中へとひっぱられた。


 そこは薄暗く、上の方の席に座っている人の顔も見えないところだった。


 今、僕が立っている床よりも高いところに柵をまたいで椅子がいくつかあり、そこに裁判官と思われる白い服をきた男たちがすわっていた。


 薄暗い中、白い服だけが妙に目立ってみえた。


 「これより裁判を開廷する。被告人、モルネス。貴様はこの神の作られた神聖なる世界が、ダンジョンなどという汚らわしいものと同義であると称したとはまことか。」


 「申し訳ございません。あのあとよく考えたのですが、やはり私が間違っておりました。この世界がダンジョンなどであるはずがございません。まことに申し訳ございません。」


 まあ、実際は何の根拠もない教会の言い分なんぞ信じる気はない。


 しかし、長い物には巻かれろとも言うし、逆らわない方がいいとかんがえたのだ。


 「被告人、おぬしは本当に貴様の犯した罪を分かっておるのか!おぬしは教団の三つの重要なきょうぎである、〈神は世界を作られ、そこに住み己を信ずるもの達を祝福した。そうして世界は神聖なものとなった。〉をけがしたのだぞ!」


 え?


 「そうだ!かの不届きものに罰を!処刑じゃ!」


 え?


 「いや、それではなまぬるい。斬首などではなく、野ざらしの刑では....」


 ええ?


 「いや、それもまたなまぬるい。議長たる私が決めよう。飛竜の崖つるしの刑じゃ。おぬしの好きな魔物についばまれて死ぬがいい。閉廷!」


 ...えええええええええええ!!!!


 

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