閑話 手紙
凄く短いです。
読まなくても話には影響がないので飛ばしてもらっても楽しめます。
ヨーヘイへ。
最初の出会いはただのお客として、だったかしら。私のいで立ちを見て氷鬼のなんて言った時は驚いたわ。私がそう呼ばれたのはかなり昔、今はAランクのマリアベルと呼ばれていたから。
常識がないのに知識はある。どこかのお坊ちゃんかと思えばお金はない。最初は面白い子ね、なんて思ったの。
でも話すうちにこの子は強くなると思ったわ。それこそ私をどれだけ早くに越すかな、って賭けをしたいくらいにね。
最初の依頼はゴブリンキングの討伐、そして二度目はわた、他のSランクが倒せなかったゴーレムも倒してしまったのだから。
新しい冒険者カードがあるでしょ? それはフックからのご褒美よ。それがあれば商人ギルドでも融通が効くと思うし、他方へ行っても他の冒険者ギルドから手助けして貰えるわ。
それにそれはあなた専用のBランク冒険者である証明。本当はランクアップのために試験をやるんだけど特例で何とかしたみたい。辞めたとしてもあなたが活躍していたことを最大限に使うんだ、ってギルドから名前は消さないようね。本当にフックらしいわ。だから、そんなフックのわがままだけは許してあげてほしいわ。
それとね、キールもヨーヘイとは友だちになりたいって言ってたわ。年の差を考えたら友だちっておかしいのにね。
こんな恥ずかしいことを言葉では言えないから、手紙にしてしまって申し訳ないわ。でもみんなの気持ちは組んであげてほしいの。
最後にあなたが助けを求めれば私もフックもキールも、そしてアカとアオも動いてくれるわ。好きにやってみなさい。手伝えることならなんでもしてあげるから。
あなたが大成功を遂げることを心から、いいえ、精霊に願いを込めて祈っているわ。まあ、失敗なんてことしないでしょうけどね。
マリアベルより
最後に登場人物説明で終わりですね。
ふぅ、長かった。




