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とりあえず俺は生きる。
―――2066年。自分が他人より上へと目指した世界の住人はみんな死んだ。
簡単な話、世界が終わった……
何の比喩でもなく、純粋に世界が終わったんだ。
―――外を走る車は消え。
―――街を彩る明かりも消え。
―――喧騒も。
―――足早に駆ける社会人も。
みんなみんな消えた。
事の始まりを説明すると少し長くなる。
まあ、そいつを説明したところで信じちゃもらえないだろうが。
―――俺だって未だに信じちゃいない。
いや、信じたくないのかもしれない。
大切だった世界は消えちまって
残ったのは廃墟と炎と……
―――動く死体。
目の前でちょっと前まで友達やってたやつが俺を襲ってくる。
さすがに心にきたな。
え?
夢じゃないかって?
そう思うんなら、これで頭でも抜いてみるか?
きっと今まで通りの朝が来はずさ……
―――まあ、俺はくそったれなやつらを全滅させるまで目覚める気はねーけどな。
俺は自分が納得するまでこの悪夢から目覚める気はないぜ。
は?
付いてくる?
まあ、好きにしな。
ただし、自分の身は自分で守れよ。