そうは言っても移動はめんどくさい
熊蜂には案内させるとして、かなり歩かないといけない。
こっちに来てからレベルは上がったけど、全然運動してないし、
オオカミ騒ぎで精神的に疲れた。とりあえず木に寄りかかって寝るとして、
明日以降はどうやって楽をするべきか、、、、それが問題だ。
翌朝
またレベルが上がっていた。
もしかして虫達はコンビニのように年中無休ということなのか?
まぁ、いいか。
とりあえず、蜂を増やそう。そうしよう。
蜂蜜はまだ届けられてないし、そもそも、森だけにいなきゃいけないわけじゃない。
いくら増やしたって問題ないだろ。
念のため、大雀蜂を10匹ずつ付けよう。
「女王蜂32匹と1匹に働き蜂100匹と大雀蜂10匹出ろ。巣と蜂蜜生産と周辺の征圧をしろ。他の蜂とエリアがかぶらないように。森から出てもかまわない。行け」
ぽんっ!
ぶーんと飛んでいった。
あとは、移動手段だ。
あまり目立つのもよろしくない。
トンボでもでっかくして運んでもらうか。
いや、あんまり早すぎても風圧でどうにかなりそうだ。
蜘蛛をでかくして乗っていくか。
地面を行くなら速度調整は簡単だろ。
でも、蜘蛛だと毛がなぁ。
なんか生えてるもんな。
ツルツルしてる虫となると、カブト虫かな。
あれなら1人くらい乗っても大丈夫だろ。
中で猫くらいなら大なら、、、、
「カブト虫1匹その辺に出ろ」
ぽんっ!
早速、大きさを極小→大に変える。
大きさはライオンくらいかな。
これなら乗れそう。
300ポイント減ったけど、微々足るものだ。
機動力も100→500に上げて熊蜂に合わせておく。
「よーし、いくか!」
カブト虫に乗ること半日ほど。
漸くでっかい壁の街の近くまで来た。
ここに来るまでに、デッカイオオカミの子分みたいなのが襲ってきたが、
1000匹の大雀蜂がさっとやってきてさっと倒してさっと去って行く。
月光○面みたいだ。まるで疾風の様。
倒したあれこれはとりあえずインベントリの中へ。
とりあえず、でっかい壁の近くから見ると、
門があってそこに兵士みたいなのが立っている。
欠伸してるし、気軽に話しかけてよさそうな感じがする。
おっと、虫達を隠さないとな。
「大雀蜂は個別に壁を越えて見えてる門の裏手辺りで目立たない場所に集合。熊蜂は明日の今頃にまたそこへ集合。カブト虫はこの辺に巣を作って待機。ご飯は適宜取って。とりあえずりんごを渡すので後は自分で」
虫達は一斉に指示通り散っていく。
しばらく待ってから、門へ近づく。
「すみません。街へはいりたいんですが」
「おう、待ってくれ。身分証はあるか?無ければ10ゴールドだ」
「身分証は持ってないんです。荷物を奪われてしまったのでお金も無いんです。街で働いて返しますので、貸してもらえませんか。」
「それは災難だったな。襲われたのはどのあたりだ。」
「森の近くです。」
「そうか、見回りの担当に話しておく。荷物は、諦めた方がいいだろうがそれも話しておこう。入門料は立て替えておく。名前を教えてくれ。」
「けんじと言います。ありがとうございます。兵士さんのお名前もいいですか?」
「けんじか。俺はゲルベルトだ。昼間はだいたい俺がここの担当だ。あてが出来たらここに来てくれ。」
そう言ってゲルベルトは20ゴールド渡してくれた。
「これは?」
「冒険者ギルドで身分証を発行してもらうと良い。それから、低ランクの仕事を何件かこなせばすぐだろう。がんばれよ」
ありがたいことに入門した後のことも面倒見てくれるようだ。
出来た兵士だ。
「ありがとうございます。必ずお返ししますね」
「おう。じゃあな」
こうして、街に入ることが出来たのだった。