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第5話 学食のきつねうどんはうまかった

「あー、君が噂の優介君かぁ」

時間はあれから進み、現在は昼休み。

ここ、青空高校では入学式の日でも六限目まである。

何でも校長いわく、「四限だけではこの学校の良いところすべては教え切れない」らしい。

そして今は学校の食堂で昼食を食べているところだ。

ちなみに愛梨は一人で食べているわけではない。

今朝、愛梨に鞄を投げつけてしまった男の子とその子の友達と食べている。

「もう、うちのクラスでも今朝のこともあって女子がキャーキャー言うてたで、なっ今朝のことの原因を作った人」

「うっせぇー、ヤス。

 あのことは本ー当にごめんな、優介」

「あっ、うん。

 それはもう良いんだけど・・・・・・俺達、まだ自己紹介してねぇーよな?」

実は愛梨達はまだ自己紹介もなにもしていなかった。

向こうは愛梨のことを知っているようだが、愛梨は今朝の男の子の方でさえ誰か知らなかった。

「おっ、これはワルイワルイ。

ていうか、ソウお前まだ自己紹介してなかったんかっ」

「だって、さっきまで女共が優介の周りウロチョロしてて話にもいけなかったんだぜ」

「その原ぇー因はお前やけどな。

まぁ、いいわ。

改めて優介、俺の名前は滝椿康志(たきつばきやすし) 一年D組や。

気軽に“康”って呼んでくれてええから、よろしくっ!!」

「滝椿って、あのデパートで有名な・・・・・・」

「そう、こいつん家はあの年がら年中何かとつけてはバーゲンやってるで有名なデパート屋さん」

「しょうがないやろ、俺んところの母さんが大阪のおばちゃんやねんから」

「康のところのお母さんが大阪の人かぁ。

だから、康は関西弁でしゃべってるのか」

「うん、そゆことや。

じゃあ、次はソウの番やで」

「おう。

俺の名前は高星奏太郎(たかほしそうたろう)、組は知っての通りお前と一緒だ、優介。

呼び名は何でもいい」

「ちなみにこいつん家の母さんは服の有名デザイナーで父さんは会社の社長兼トップモデル、そんで息子のこいつも実はモデルやねん」

「おいっ、康っ!!

お前、余けぇなこと言わんでいいんだよっ!!」

「へぇかっこいいな、モデル」

「優介、こいつの場合“かっこいい”じゃなくて“かわいい”やで。

なんたってこいつ、女のモデル専門やからな」

「だぁぁぁぁーー言うなっ!!康っ!!」

「何でいいじゃん。

ぴったりだと思うよ、奏太」

愛梨は心からそう思い、ニッコリしながら言った。

それを見た康志はブフッと噴出し、奏太郎は一瞬怒鳴りそうになったがそれを押さえ、「はぁー」とため息をつき、

「お前、それもしかして天然?、それともわざと?」と言った。

「えっ、真面目に答えてるんだけど・・・・・・」

そう愛梨が言った瞬間、康志はついに腹を抱えてケラケラと笑い出し、奏太郎は先程よりもより深いため息をつき、

「天然か・・・・・・」と言った。

愛梨は二人を見て、ただただキョトンとしていた。

そんな感じに話が終わり、食事も食べ終え、さー教室に戻ろうとした時だった。

「あっ!!

奏、ちょっと待ち。

口元にご飯粒ついてるで」

「おっ、ホントだ」

「全く、お前はキヨが居らんかったら何もでけへんねんな」

「キヨって?」

愛梨は二人の会話で出てきた“キヨ”という人物が誰かを聞いた。

「あー、キヨっていうやつは奏の幼馴染でもあり奏のお母さん的な存在の奴や。

確か優介と同じクラスやと思うで」

「キヨは優介と同じクラスだ。

ほら、優介の後ろの席の奴今休みだろ。

あそこがキヨの席なんだ」

「ってことは入学式欠席だったのかっ!!」

「おう。

今は事情が会って来てねぇけど、その内来るんじゃねーの」

「まぁ、キヨのことやからなぁ」

最後に康志がそう言い、愛梨達は完全に席を立った。



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