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第1話 高校デビュー

「お止めください。」

母の声が頭の上で聞こえる。

「ダメだ。

 こいつにはあいつの代わりになってもらう」

同じく、父の声が聞こえる。

「ですが、この子は優介(ゆうすけ)ではございません。

 しかも女の子で思春期真っ最中なんですよっ!

 それは何でもこの子には酷ですっ!」

「そんな事はわかっている。

 しかし、家のためにもしょうがないんだ。

 それぐらいお前だってわかっておるだろう。」

「そうですが・・・・・・」

「なに、優介とこいつは双子だ。

 髪さえ短くすれば誰もわかりはしないだろう」

「しかしっ」

「もういいよ」

まだ、何か言おうとした母を私は止めた。

「でも、愛梨(あいり)・・・・・・」

「もういいよ、お母さん。

 お父さん、私は覚悟が出来てます」

父の目を見て私は言った。

そして、父は言った。

「よろしい。

 それでこそ私の娘、いや、息子だ」と。

それは今から一ヶ月前のお話。





あちらこちらで桜咲くこの季節。

どこの学校も入学式が行われていた。

そして、俺がこの春入る高校、私立青空高等学校でも同じく入学式が行われていた。

ザワザワ。

ざわつく体育館。

皆、新しい生活に期待を寄せる一年生ばかりだ。

「えー、・・・・この・・・・つきま・・・・おめで・・・」

遠くの方で校長先生の長ったらしい話が聞こえる。

「多分、皆聞いて無いだろうな」

と思いながら俺は自分の順番が来るのを待つ。

「それでは、次に新入生代表を神無月優介(かんなづきゆうすけ)君、よろしくお願いします。」

「ついに来たっ」

と俺は思いつつ、

「はいっ」

と手を上げ、舞台の方に行く。

『いいか、目立つことはするな』と父に言われていたが入学試験を一番で合格してしまったのだからしょうがない。

「本当は俺だってこんなめんどくさい事やりたくない」

と俺は思いながら舞台につながる階段を上る。

上り終えたら、今度は舞台の真ん中に校長先生に「どうぞ、どうぞ」と言われながら進む。

これから俺の高校デビューがはじまる。

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