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ロリの惑星  作者: 神原ハヤオ
【前章】ロリの惑星
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04「幼妻王の城」その1

 丸2時間歩きました。


「近くだって……言ったじゃないですか……」

「いやぁ、近くですわよ?」


 ロボットはタフですね……。


 街には木々が押し寄せて、自然に還元されつつあります。

 その林の中を……スリッパですよ。

 病院のスリッパで歩いているせいで、足が痛いなんてものではありませんでした。


 林の中を私たち3人は進みました。

 3人?

 そう、3人。


「あるーひー、もりのなかー♪ くまさんのー、でぃあたーん♪」


 外れた音で歌っているのは、おさげでワンピースの幼女さん。

 トゥインクルさんが、途中の幼女タウンで拉致してきたのです。


 すぐにも警察沙汰になりました。

 幼女警察がやってきて


「まちをはしっちゃだめですよぅ」


と言ったのです。

 幼女警察は、クラス委員長並みの働きしかしてくれません。


「幼女さんって、勝手に連れてきていいものなのですか? 彼女たちにも、彼女たちの社会があるんじゃないの?」

「うーん……そこらへんは、あまりよくわかってないのですけど……多分大丈夫ですわ。それにーー」


 私の質問をトゥインクルさんは適当に流しました。


「幼女さんが近くにいる。それだけで、なんかもう十分じゃないですか……」


 何が「十分」なんですかね……?


 幼女さんの件は釈然としませんけれども、トゥインクルさんが一緒に妹を探してくれるのは心強いものがありました。


「トゥインクルさん、私のためについてきてもらって……なんか、すいません」


 私はトゥインクルさんに頭を下げました。


「いえいえ、お気になさらずに。もともとあてのない旅ですから。『ロボット六原則』のこともありますし……」

「ロボット六原則?」


 トゥインクルさん曰く、それはおおよそ以下のようなものでありました。



【ロボット六原則】


第1条 ロボットは、幼女を愛でなければならない。


第2条 ロボットは、幼女が与えた命令に服従しなければならない。


第3条 ロボットは、幼女に危害を加えたりしてはならない。また、幼女に危害が及ぶことを看過してはならない。


第4条 ロボットは、1〜3条の原則に反しない限り、自己を守らなければならない。


第5条 ロボットは、1〜4の原則に反しない限り、人間が与えた命令に服従しなければならない。


第6条 ロボットは、人間に危害を加えてはならない。ただし、そうすることで幼女の危険をとりのぞける場合はこの限りではない。



「ま、一言で言うと、可能な限り幼女さんと人間さんのお役に立ちましょう、ということですわ」


 ……なんですか、コレ……。

 

 幼女が最優先になっていることはおいておくにしても、人間よりロボットのほうが優先されているのが謎です。

 誰が何のためにつくったルール?



 と、トゥインクルさんが不意に立ち止まりました。


「きゃぅ!」


 幼女さんが、にぶい音をたててトゥインクルさんにぶつかりました。


「びえぇぇぇ! いたい! いたいようぅぅ!」

「わっ、ごめんなさいですわ! ごめんなさいですわ!」


 何を急に立ち止まったのかと、トゥインクルさんの前を見ました。

 そこには木の立て札がありました。


『けいこく!

このさき、ようじょたちいるべからず。ようさいおうのしろあり』


 ……何ソレ?


「でもこの立て札を真に受けるなら……この先に幼女さんを連れてはいけませんよね……?」

「ぐっ……」


 トゥインクルさんが顔を歪めました。

 ロボット六原則第3条(ロボットは、幼女に危害を加えたりしてはならない。また、幼女に危害が及ぶことを看過してはならない。)を守ろうとするなら、この危機を見逃せないはずなのです。


「ようじょと……離れろと……そんな……! 私が一体何をしたっていうんですの?!」

 

 何をしたってそりゃあ……拉致じゃないでしょうか?


 と、苦悶にゆがむ彼女の顔が、突如パッと明るくなりました。


「ま、大丈夫でしょう」

「えっ?! 危険じゃないんですか?!」

「危険? どうして危険というのですの?」


 ……開き直り?


「だって、立て札で警告されているじゃないですか……」


 トゥインクルさんが笑いました。

 悪魔がいるとしたら、多分このように笑うのだろうという顔で。


「その立て札ってどこにあるのですの?」

「いや、今ここにーー」


 振り向きました。

 そこには立て札の「た」の字もありませんでした。

 木が焦げたような匂いを残し、消失していたのです。


「人間さんの勘違いか何かだったのでしょう。モルダー、あなたつかれているのよ」

「け……消したんですか?! 不都合な真実を消したんですね?!」

「ナンノコトヤラ」


 実にあっさりとロボット六原則第3条(ロボットは、幼女に危害を加えたりしてはならない。また、幼女に危害が及ぶことを看過してはならない。)を破りました。


 原則でも何でもないじゃない!



ーーーー



 そうこうしているうちに、開けた場所に出ました。

 危険な香りのする荒地です。

 かわいた砂と黒いガラス質の岩。

 霧のせいで遠くは見えず、どこまで続く荒地なのかは不明でした。

 風のうなり声は、まるでこの荒地そのものが生きているかのようです。


 私の街の近くに、こんなところあったっけ……。


「こわいよぅ……おねーちゃん……」


 トゥインクルさんも妙に神妙な目つきでした。


「……長居は無用ですわね。こんなときのためのトゥインクルさんですことよ! 変、形!」


 そう言うと、トゥインクルさんはメカニカルに変形をはじめました。

 

 胸部に顔が収納され、手足はそれぞれ一直線に合体。


「変形完了! トゥインクルパレード!」


の掛け声とともに、トゥインクルさんは2人乗り小型自動車に変形したのです。


「…………?」


 よく見てなかった。

 よく見てなかったけど……何がどう変形すれば、美少女が自動車に?


「何を驚いているんですの。そんなんじゃ、少女革命なんてできませんよ」

「いえ、革命を起こす気はさらさらないのですが……」


 どんな理屈なのかはさっぱり不明でしたが、車に乗れるのは純粋にありがたいことです。

 なにせ、病院のスリッパのままですからね……私。


 さっそく助手席に乗り込みました。

 幼女さんは怖いからなのか、私のひざの上に乗り込みました。


「では出発しますわよ〜。こんな危ないところ、さっさと抜けちゃいましょう」


 ふぅうぉん、とUFOが離陸するみたいな音がしました。

 車体が地面から浮かび上がります!

 すごい!

 未来だ!


 トゥインクルさんは地面に近いところを、滑るように発進しました。

 幼女さんもすっかり上機嫌です。


「はーやいぞ、はーやいぞ、まーどのそとー♪ おーいわがとーぶとぶ、いぇたも、うー♪」


 歩きの疲れが出て、思わずうとうととしてきました。


「どうです? 私のなかは気持ちがいいでしょう?」

「その言い方は……気持ち悪いです……」


 ていうか卑猥……。


「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか! 私を中古(車)にしておいて!」


 だから卑猥……。


「ーーッ! 前方に障害物! 衝撃に備えてくださいまし!」


 唐突に車に急ブレーキがかかりました。  

 巨大な影が眼前に迫っていたのです。

 さっきまで、そんな気配少しもなかったのに!


「光学迷彩プラスレーダー撹乱……! 何者?!」


 巨大な影は大きな口をあけ、私たちに迫りました。

 私たちは混乱のうちに、その巨体に取り込まれてしまったのですーー



 


【次回のロリの惑星】


「ここで、たくさんの裸の幼女とともに暮らしていたんだ。人間たちからも畏怖を集め、ついた異名が『幼妻王ようさいおう』!」

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