41話 愉快なげーむ
「おっと。危ない。あらよっと」
思考していた僕の背後から刺突しようとしてきた槍持ちの傭兵へ振り向きざまの袈裟斬りをかます。
そのついでに、彼の槍を奪った。
断末魔を上げる暇なく地面に崩れ落ちた槍持ちの傭兵の首を念のために刎ねてから周りを確認する。
すると気弱そうなチビの傭兵が匍匐してこちらをうかがっていた。
擬態語のチラっチラっをああも体現してる人間はそうそういないだろう。
っていうか、あれで隠れてるつもりなのだろうか。
かくれんぼなら一番最初に見るかるタイプだな、あれ。
体積は小さくて有利なんだから、もうちょっと頑張れよ。
ふと目が合う。
「あ、ごめん。面白いから後回しにしてあげようと考えたんだけど。目が合っちゃったよね、いま」
距離を詰めてチビの傭兵の前に立つ僕。
「ま、まままってーいっ! お、おおおおおおお、俺はただ見てただけでっ墓もほりかえしてないしひひひひめさまにも手をだしていまっいままっ……しぇんっ!」
「ああ、そう? ふうん。どうやら君はわりと良い傭兵のようだ」
「え、へへ、へへへ」
肩を叩いて褒めてあげると照れながら頭をかくチビの傭兵である。
「…………………」
「…………………?」
「……えっと。で、だからなに?」
「ふぁっ!? いやだから……その、へへっ」
「早く言えよ」
手を前に出して左右に振るタンマのジェスチャーをするチビの傭兵の腹に、さっき奪った槍の穂先を突き刺したのだった。
「……ご、ふ、……な、なんでえっ?」
こっちは急いでるんだもの。
仕方ないじゃないか。
槍を引っ張る。
穂先が湾曲した槍だったので、チビの傭兵のハラワタが引っかかって出てきた。
それを呆けた顔で眺めながら絶命したチビの傭兵に肩をすくめつつ、次の狩場を探す。
この段になってくると、傭兵たちはある程度いくつかの集団にわかれていた。
怒号が飛び交っている。
それぞれの集団に長のようなものが存在し、彼らが指揮を取っていることがわかる。
なんだ。
ある程度、指揮系統はしっかりしてるんだなあ。
「あははっ、いいね。そう来なくっちゃ」
まあ、なんにせよ。
かたまってくれるのは移動する手間が省けてありがたい。
一番近くにあった傭兵の一集団に向けて走り始めた。
†。oO(『マスターが私を使ってくれない……くすん』)




