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ある日、空から剣が降ってきた。  作者: まいなす
第一章 “白き山裾城”決戦
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39話 彼らはたたかうコマンドを選択した



 ほーら、やっぱり切れ味が悪い。


 こっちの世界に来て初めて人間をぶち殺した感想はその程度だった。

 強いて言うなら、桃太郎という言葉がふと浮かんだにすぎなかった。


 縮れ毛の傭兵の脳天からまたぐらにかけて通り抜けたギレアムさんの剣にドロリとこびりついた血肉を振って落とす。

 しばらくして正中線で縦真っ二つにララバイしていた縮れ毛の傭兵は思い出したかのように左右へぱっくり別れて崩れ落ち始めた。


 最初の一人をショッキングに殺して相手を怖気づかせて楽々クッキングしようと思ってたんだけど。


 さすがと言うべきか、やはりと言うべきか。

 目の前で起こった惨状に挫けず、ユーリを取り押さえていた残りの傭兵たちが早々と僕を取り囲む。

 その数は四。


「うぉおおおおおおおおおおおおおッ」

「へぁあああああああああああああッ」

「うぃいいいいいいいいいいいいいッ」

「ごぉおおおおおおおおおおおおおッ」


 そんな奇声をものの見事にハモりながら果敢にも血走った目で剣を振り上げて向かってきた。


「いやいや、剣道じゃないんだから。っていうか仲いいなお前ら」


 続けざまに振り下ろされていく連撃を交わす。

 今度はこっちの手番だ。

 腰を捻って落とし、そしてギレアムさんの剣を横に薙いで一閃。


 ずぶり、という鈍い音が四つ。


 回転して遠心力を乗せたギレアムさんの剣は容易に多数の人肉を軽鎧ごとえぐったのだった。


 バケツをひっくり返したような血の雨が降る。

 その辺一帯の地面が赤黒く染まる。


 屠る相手が周囲にいなくなったので移動を開始。

 地を這う蛇のように、体勢を低くして獲物がいるほうへ突撃する。


 ぶしゅう。

 慌てて剣を振るってきた傭兵の懐に入り込んで、その咽喉を掻き切る。


 ブタのヨダレのような酷い匂いのする血潮がドロリと垂れてくる。

 それが僕の服をどんどん汚していくのを感じていると、ふと重大かつ緊急を要する案件にはたと気づいた。


 周囲では大小長短さまざまな剣や槍を構えた傭兵たちがこちらとの間合いを測りかねながらじりじりと寄ってくきていたが、重大なこととはそれではない。

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