第6話 新たな日常の始まり#1
どうも
今回から章ごとに分けることにしました
そして今回から第二章が始まります
未だに何話ぐらいで終わらせるか検討もついておりませんが今後も俺とあいつの変わった日常をよろしくお願いします
あれから一週間。俺はなにも変わらない日常の日々を送っていた。ミラとララにはまだ気づかれていないが俺はあいつらには内緒でこっそりと向こうの世界へ繋がる扉を探していた。あらゆる方法を使っているが未だ見つからない。
一応ミラとララに帰りたいか訊こうかな…
「おーい、ミラとララ。ちょっといいか?」
「何、徹?」
「どうしたの神門。何か用?」
「あぁ。お前らさ…向こうの世界に帰りたいのか?」
「え…まぁ、やっぱり帰りたいとは思ってるよ」
最初に答えたのはララだった。ララはやっぱりそうだよな。これでも一国のお姫様だもんな。
「うーん…徹と離れるのは嫌だけどやっぱり帰りたいよ。それにいつまでも徹や徹の家族に迷惑かけたくないし」
やっぱりそうなんだ…ミラも帰りたいのか…なら早く見つけてやらないとな
「でもなんでそんなこと訊くの?」
「え?いや、なんでもないよ。ただ訊いてみただけだから」
「ふーん…なにか隠してるでしょ」
「え!?隠してるわけないだろ!」
「そうだよね…徹が隠し事するわけないもんね」
はぁ…あぶねー…あと少しでばれるところだった…気をつけないと。さて、そろそろ探しに行かないと。
「ちょっと出かけてくるから」
「うん、わかった。行ってらっしゃい」
さて、ろくに手がかりもないのに探すといってもなぁ…どうするか…とりあえず図書館にでも行ってみるか…
…と思っていたのだが。
「神門ー!覚悟ー!」
「え?のわっ!?」
突然襲われた。なんなんだこいつは。無防備の俺に襲い掛かってきやがって。
「よう神門」
「お前は!えーと…誰だっけ?」
「おい!相変わらずそういうところも変わってないよな…俺の名前は神藤 大輔だ。いい加減覚えろよ」
「はいはい…で、何か用?急いでるんだけど」
そういえばこんなやついたね。ファンタジー世界にいたときに一緒に旅してたやつなんだけど、いつも俺に襲い掛かってくるんだ。俺の周りにはいつも女の子がいるから羨ましいとかなんだか。俺は別に意識して寄せてるわけじゃないのにさ。あっちからよってくるんだよ。この体質も勇者になってからできたもの。これもこれで結構大変なんだよ。真面目な話。
「今日こそはその根性を成敗してやる」
「だからさぁ…何回言えば分かるんだよ。俺が引き寄せてるわけじゃない…ってのわっ!」
いきなり剣を出して振り回してきた。危ないなぁ…てか、俺は何も武器とか持ってないんだけど。
「そんなことはどうでもいいんだよ。とりあえずお前が羨ましいんだよ-!」
「危ないから剣をしまえよ!つーか本音出てるんだけど!」
…とこんな感じで一時間後
「はあ…はあ…少しは落ち着けよな」
「すまん。取り乱して」
「気にするな」
「ところでお前は何をしてるんだよ」
そうだった。俺は向こうの世界へ繋がる扉を探してて図書館へ行こうとしてるんだった。
「ちょっと調べ物で図書館にね」
「へぇ…どうせファンタジー世界への扉を探してるんだろ」
「なんで分かったんだよ!?」
「顔に出てるし」
はあ…なんで俺の周りにはこんなに勘が鋭いやつがいるんだよ…
「まぁ、俺も手伝ってやるよ。どうせ何か理由があるんだろ」
「あぁ、ありがとう。助かるよ」
そして俺らは夕方まで手がかりをずっと図書館で探していた。俺はミラとララを返すということで頭がいっぱいだったけど。
「はぁ~…今日も収穫なしか…」
「てか思ったんだけどさ、前に向こうの世界へ俺ら渡ったじゃん?」
「あぁ。それがどうしたんだ?」
「そのときの扉を探せばいいんじゃないか?」
ダメだ、こいつ…何もわかってない。向こうに渡ったときはみんなバラバラだったし、それに残ってるわけがない。番人がこの扉を使えるのは一回きりだと言っていたし。
「それは無理だよ。向こうへ渡る時に番人がなんていったか忘れたのか?」
「あ…」
はあ…ダメだな、こいつは…やっぱりあてにならないし…
「とりあえず、帰ろう」
「あぁ…すまんな。役に立たなくて」
「気にするな」
まぁ、こいつもこいつなりに役に立とうとしてくれたんだ。感謝はしている。さて、そろそろ帰るか。
「俺はそろそろ家に帰るな。帰らないとミラとララに心配されるから」
「あぁ、じゃあな。…って、お前の家にはララちゃんと可愛いことで有名な魔王の娘がいるのか!?」
「え?そうだけど…」
「…やっぱり許さーん!」
「のわっ!危ねぇな!いきなり剣を振るうなよ!俺を殺す気か!」
…とこんな感じでまた新たに俺とあいつの変わった日常が今日から始まったのだった。