最終話 今度こそさようなら、俺とあいつの変わった日常
ついに、この作品も最終話です!
ここまで読んでくれた読者の皆さん、ありがとうございました!
今後も俺あいつの応援よろしくお願いします
そして、次は後書きとなっておりますので、ぜひそちらを読んでください。
俺あいつシリーズ第二段の構成か完了したので少しだけお話をしたいと思っております
では、最終話の方どうぞ!
扉をくぐって、俺とララは無事に元の世界へ戻ってきた。ああ、戻ってきたんだな、ここに。
俺は俯いてララと一緒に歩いていた。ララはいいとして、俺にはもう居場所なんてないのだから。ララを救うためにララ以外との関係を断ち切ったのだから。さて、これからどこに行こうか。そう考えていたそのときだった。
「どうしたの、神門?」
「いや、ララを救うためにお前以外の関係を断ち切っちゃったんだよ」
「なにそれ?みんな待ってるよ。早くいこ」
「は・・・?」
前を向くと、そこにはミラが、みんながいた。ありえない。こんなことってあるのか。
「おかえり、英雄くん」
「嘘だ・・・。俺は確かにララを救うためにお前との取引に応じて・・・」
「バーカ、あんなのは嘘に決まってんだろ。そんなことしたら僕がこの人たちにやられちゃうっての」
そこには、理紗、神藤、千里、悠、由紀、妹の理沙、そして、ミラが、俺の大切な人たちがそこには立っていて笑顔で迎えてくれていた。心の底から自然と俺の目からは涙が溢れ出していた。とても嬉しかった。
「おかえり、徹夜、ララちゃん。本当に辛かったね。無事で良かったよ」
「ちゃんとララちゃん救ってきたみたいだな。それでこそ俺の見込んだ男だ」
「やっほー徹夜。なに泣いてんのよ、だらしないなあ。世界を救った勇者なんだからもっとシャキっとしなよ」
「おかえり、ララちゃん、徹君」
「パパおかえり!あと、ララちゃんもおかえり!」
「おかえり、ララさん、お兄ちゃん。無事で本当に良かったよ」
「おかえり、ララちゃん、徹」
俺は今、こんなに嬉しい事はなかった。心の底から嬉しかった。俺はこの空間が好きなんだ。本当にこの空間を守れてよかった。
「・・・ああ、ただいま!」
「うん、みんなただいま!」
・・・・・・・・・・・・
次の日。今日は俺らの高校の卒業式。今日で高校生活が終わり、それぞれの道に向かって突き進む。みんなはそれぞれ進学へ。俺は就職へ。それぞれ道は違えど、心は一つ。会おうと思えばいつだって会えるのだから。
「徹!なにボーっとしてるの?」
「ん?ああ、ちょっと考え事だよ」
「考え事?」
「お前には関係ないから、気にするな」
俺はミラ軽くデコピンをした。ミラは少し痛そうに額を抑えながら頬をぷくっと膨らませている。少しやりすぎたかな。
「じゃあキスしてくれたら許してあげる」
「なんでそうなるんだよ。ったく、仕方ねえなあ」
俺とミラは優しくお互いに唇を重ねた。ミラの表情は今までにないくらい嬉しそうだった。それに、ミラの唇はとても柔らかかった。
俺とミラは昨日からずっとこんな感じでイチャイチャしていた。悪い気はしないし、別にいいかなって感じで。
「神門ー、ララちゃーん。みんなで集合写真撮るらしいよ!早くおいでよ!」
「ああ、今行くよ!」
俺はミラからすぐに離れた。今のところを見られたかもしれないと思った途端に凄く恥ずかしくなってきた。今の俺の顔はトマトみたいに赤いだろう。
ララはあれからなんだか明るくなった。遠慮もしなくなってきた。ララが元気そうで良かった。
「徹、早く行こうよ。終わっちゃうよ」
「わかった。今行くって」
高校生活はもう終わる。こうしてみんなとワイワイできる日はもうなかなかないだろうし、みんなで集まれる日も少ないだろう。
これから俺たちは大人になり、それぞれ家庭を持って、今のこの楽しかった日々は時間とともに想い出になってゆくのだろう。それでも俺達の絆が切れる事はない。いつだって仲間だ。
だけど、みんなそれぞれこれからの生活に不安はあるだろう。高校生活が終わり、新しい生活が始まる。
次にここに来る時は『元生徒』。クラスメートも『元クラスメート』。だけど、ここで過ごした日々はなくならない。
さようなら、楽しかった高校生活。
さようなら、俺達の高校。
さようなら、俺とみんなの変わった日常。
「ありがとう。そして、さようなら」
そしてまた新たな生活が始まろうとしていた。
最終章 俺とあいつの変わった日常 終了




