表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺とあいつの変わった日常  作者: 龍聖
最終章 俺とあいつの変わった日常
35/44

第31話 決意と条件

更新が約二ヶ月ぶりになってしまい、申し訳ありませんでした。


夏休みと言うことで、これからは更新率をあげていこうと思いますので、ぜひとも応援よろしくお願いします。


それともうひとつ。


今現在、俺あいつのアンケートを実施しています。

ですので、答えていただけると今後のこの作品のためになりますので、ぜひとも答えていってくださいね。


では、本編どうぞ!

 ララが行方不明になって四日目の朝が来た。昨日、大輔に説教されて俺は大事なことを思い出した。思い立ったら即実行。これが以前の俺だった。

 向こうの異世界にいるときは魔王を倒して、世界を平和にすることだけ考えていたからこれができた。だけど今は、その異世界にいるわけじゃない。なぜなら、ここは日本だからだ。向こうにいるときみたいに力が使えるわけじゃない。もしその力を使ってしまったら俺は周りの人間に変な目で見られるだろう。そんな目を恐れたから今の俺は昔みたいに頼もしいわけでもなく、ただのへタレになってしまったのだろう。


 時間にすると今は10時。商店街の店などが開店を始めるちょうどいい頃合だろう。俺は黙ってミラが寝ているすぐ脇のイスを立った。もちろん行方不明であるララを探しに行くためである。


「ちょっと行ってくる」


 ミラが起きないくらいの小ささで言ったつもりだったが、ミラが起きてしまった。


「行かないで…。今の私から離れないでよ…」

「そういうわけにもいかない。今こうしている間にもララが危険な目にあってるかもしれないんだ。それに俺、思い出したんだ」


 ミラは「何を?」と言いたげのような表情で俺を見ていた。そんな上目遣いに少しときめいてしまいそうだったが、そんな邪念を振り払う。


「今までの俺は関係が壊れるのを怖がっていた。けど、こんな状況になって、大輔にも言われて思い出したんだ。俺は俺らしく、思い立ったが即実行をすればいいんだってことを。そりゃあ、今も大事だけど、仲間を、そして大切な人を見殺しになんて俺にはやっぱりできない。だから行く。どんなに危険だろうと関係ない。俺は俺らしく、思い立ったが即実行。これをするだけだってな」

「…うん、それこそ徹だよ。久しぶりにそんなところ見たな。いってらっしゃい。ララにもしものことがあったら許さないからね!」

「分かってるって」


 俺が病室を出るとき、ミラはとても優しい目をしていた。そんな姿を見た俺は気を引き締めなおし、走る。一刻も早くララを見つけてミラやみんなを安心させたかった。

 そして問題なのは由紀だった。もうそろそろ帰りたいと駄々をこねる頃だろう。けど、今のこんな状況を見たら「じゃあ私も探しにいく!」なんて言いかねないし、なによりミラが倒れているのを見たらきっととても心配してしまうだろう。俺はそんな由紀は見たくなかった。

 病院を出て、まずは休みの学校に行った。もしかしたら誰かといるかもしれないなんて思って俺はとにかく走って探し続けていた。

 …まあ、そんな考えは甘いわけで、もちろんいなかった。いたのは部活で来ていた生徒のみで、そこにララの姿はなかった。

 この町は他の田舎町に比べるととても広く、一人の人物を連絡なしで探そうとするととてもじゃないが見つかるような町ではない。本当に探しぬこうとすると、山を、商店街を、あとは色々な公共施設を探さないといけないため、一人じゃ到底無理なのだ。けど俺は一人で探すしかなかった。魔法を使えないような今の俺には走り回って見つけることぐらいしかできないわけで、自分でも情けないとは思っている。

 だからこそ俺が探さないと意味はないわけで、妹の理沙や由紀の手を借りるわけにはいかない。むしろ借りてしまってはいけない気がした。きっとララは俺が見つけてくれると思っているだろうからだ。これは長年の付き合いだからこそわかる。

 にしても一体どこにいるんだ、あいつは。あれから、町中を探してみたものの、全く見つからなかった。もうこれ以上探すあてがなかった。

 そして事件は想いもよらぬ展開をしていた。

 なぜかと言われれば、俺の目の前にとある人物が立っていたからだ。


「やあ。久しぶりだね、英雄くん」

「お前…。何しにきたんだよ、ラース」


 そう、俺の目の前に現われたという人物は沖縄の事件の際、門番を勤めていたラースだった。覚えている人は少ないかもしれないけれど。

 ラースは顔をにやっとさせた。


「随分とお困りの様子だと思ってさ。相も変わらず一人で突っ走っちゃって。知りたいんだろ?ララ王女の居場所がさ」


 悔しいがその通りである。一刻も早くララの居場所が知りたかった。

 俺は黙って頷いておく。


「いいよ、教えてあげる。ただし、条件がある」

「条件だと?」

「そう、条件だ。これができたら教えてやるとも」


 そして、俺はその条件が後ほどやっかいごとになっていくことは知りも知らずに鵜呑みしてしまったのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング よろしくお願いします 
こちらもよろしくお願いします↓
キャラクター人気投票受付中!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ