第27話 悠の決心#1
どうも、お久しぶりです。
いきなりですが、報告(?)を。
今まで字数は1500程度にしていたのですが、読んでみて、あまりにも短い!
物語が全然進まない!
…と、言うわけで、今回から字数を少しずつ増やそうと思います。
最終的には3000~4000程度まで増やそうと思っています。
そして、今回は約2000ぐらい。
何か気づいたことなど、なんでもいいのでご感想待ってます。
最後に一言。
執筆再開しましたので、更新率がこれからまたアップします。
では、どうぞ。
俺は悠の背中を押して、言ってこいとは言ったものの、心の準備がまだだからという理由で夜に言うことになった。
確かに俺は言ってこいとしかいってないから、無責任すぎたのかもしれないが、それでも悠が言う気にはなっているから結果としては良い方向に行っていると俺は思う。
そして、その夜まではまだ時間があるので、俺は悠の部屋で小説を読んで時間を潰していた。
別に俺が気にすることではないのだが、俺は一応、一番最初に悠の秘密を知ってしまったから気にするのは仕方のないことなのかもしれない。
そして俺が小説を読み始めてから30分あまりが過ぎた頃に俺の携帯が鳴り出した。
「ミラちゃんから?」
「いや、ララからだな」
思うのだが、俺がミラの傍にいないときに誰かしらの電話がかかってくると、みんなはいつもミラからだと思っている。俺の携帯にはミラの番号だけじゃないと言ってやりたいぐらいなのだが、言うほどのことではないから黙っている。
にしても、ララが俺に電話とは珍しい。ララは普段は電話は使わない。基本はメールかLINEで済ませてしまうからである。何か俺に用でもあるのだろうか。
出ないとあとが怖いので俺は電話に出る。
「はい、神門です」
『ねえ、一体いつまでかかるの?』
「……何が?」
『その用事。私が遊ぼうよって誘ったら、行かなきゃいけないところがあるからって断ったじゃん。みんな神門が来るの待ってるよ?』
そういえばそんなことがあったかもしれない。すっかり忘れていた。だが、帰ってきたら遊んでやるなんて約束はいていないし、言ってもいないので関係ないはずだ。
「いや、俺は帰ったら遊んでやるとは一言も言ってないから待たれても意味ないぞ?」
『あれ?言ってなかったっけ?』
「言ってねえよ!一言も!」
ララはたまにこういうところが抜けているんだ。とは言っても、こんなことは日常茶飯事なので慣れているから慌てないで突っ込むことができる。
むこうではなにやら騒がしくなっている。俺の嫌な予感センサーがそう言っている。
そう感じた矢先、案の定にも、電話の声の主が千里に変わった。
『もしもし、徹夜でしょ?』
「あぁ、そうだが」
『徹夜がいなくて私ら暇してるんだよ?』
「それがどうかしたのか?」
俺がいなくて暇してるからなんだという気持ちに俺はなっていた。あいつらが暇しているのは決して俺のせいではないから関係ない。
『相変わらず鈍チンだね、徹夜は』
「余計なことを言うな。……で、何が言いたいんだ、お前」
『はぁ……徹夜ってやっぱり鈍チンだよね。ここまで言ったら普通は理解できるはずなんだけどな……』
「そんなことを言われても知らん。用件を言え、用件を」
『仕方ないから言ってあげるよ。つまりは、暇だから私らのところに帰って来て欲しいんだけど』
それは俺のせいじゃない気がした。
俺がいないから暇になったというのは、俺を帰らせるための口実にすぎないだろう。あとはただの言い訳。
俺がいなくなったことでつまらなくなる?笑わせるな。俺がさっき海で静かに小説を読んでいたときはとても楽しそうに遊んでいたくせに。
なんて心のなかで思いつつも口には出さずにいる。
「なあ。それ関係なくないか?」
『ん?気のせいじゃない?』
いや、それ、俺は絶対に関係ないだろ。
「とにかく、俺はまだ戻れない。つーか、戻るわけにはいかないから無理だ。それに、夜になったら合流するんだから別にいいだろ」
『えー……今じゃないと嫌だ』
「そんなことは知らん。じゃあな」
『あ、ちょっとま…』
しつこかったから俺は電話を切る。どうしても俺に戻って欲しいらしいが、そんなことは知らん。夜になればまた会えるというのに……
つい今まで電話をしていて、悠をほったらかしにしていたことを思い出し、俺は悠に話しかける。
「ごめんな。あいつらがしつこくてな」
「ううん。気にしないで。千里ちゃん達だから仕方ないよ」
「ま、そうだな」
悠は本当に優しいやつだ。なんでこんなに優しいのかが知りたいくらいだが、そんなことを詮索してもなにも出ないわけで、良いことがあるとは限らない。
なんて考えつつ、俺はあることを思い出したので悠に訊いて見る。
「そういえば、心の準備とか決心とかはついたのか?」
「え?なんで?」
「え?だって言うんだろ。お前の秘密を」
「あ、う、うん……そうだったね。けど、夜まで待ってくれないかな?もう少しだけでいいから」
「あぁ。俺は全然構わねえよ。ゆっくりでいいんだから、そう焦ることはねえだろ」
「そうだよね……」
別に焦ることはないと俺は思っている。言うか言わないかは本人次第だし、無理強いをして変に空回りをしたらいけないからな。
そんなこんなで時間は過ぎ、その日の夜を迎えようとしていた……




