表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺とあいつの変わった日常  作者: 龍聖
第三章 三年生編
21/44

第19話 全国模試#1


 ミラとララが帰って来てから一週間がたった。今の季節は春。そして四月下旬。この高校の三年はこの時期になると全国模試を受けなければいけない。それにそろそろ就職を決める大事な時期でもある。まぁ、就職なんてしなくても俺は生きていけるけど。なんでかって?いざとなればファンタジーの世界に行けばいいんだから。それに俺にはミラもいるし、ララもいる。ついでに理沙もいるんだから。

 とりあえず、勉強しようかな。…とは思うけど俺は勉強をしすぎると頭に入らないからいつも一夜漬けをして覚える。そんなんで全国トップ3に入れるんだから苦労なんてしないよ。けど、その分勉強を教えてとミラとララと妹の理沙に頼まれる。やれやれ、頭がいいのも楽じゃないね。

 やっぱりこういう時期になるとわかるのがみんながピリピリし始めるから無闇な発言は控えるのが普通なんだけどこの学校のこの学年は違う。理由としては今さっきのことだけどミラが俺の前回のテストの成績をばらしてくれちゃったから大変なんだよ。

 これは二年の時の話なんだけど毎回学年一位を取ってきた隣のクラスのやつが二位に落ちてから正体が不明な学年トップがいるって噂が流れてるんだ。まぁ、その正体不明の学年トップって俺のことだけどさ。今まで頑張って隠してきた努力がたったの一言で打ちのめされました、はい。けど、俺が学年トップだったってのが流れてからその学年二位のやつに絡まれてるんだよ。言葉で突き放したけどさ。でも、そのせいで勉強教えてっていうのがさっきから止まらない。ホント疲れるよ。教えるのも面倒だし。


「ねぇ徹。ここ教えて」

「ん?あぁ、これはここをこうしてから…」

「「「「「「おぉ~」」」」」」


 周りから思わず声があがる。俺の教え方が上手らしいから分かりやすいらしい。そのせいで他のクラスの奴らも集まってくる。なんかギャラリーが増えてるんだけど。こういう風に目立ちたくなかったんだよな。面倒なことになるから。


「すげぇ!」

「徹夜くん、私にも教えて!」

「俺も俺も!」

「抜かすなよ!」


 「まぁまぁ。俺は一人しかいないんだから順番に」と言ってもみんな落ち着かない。おいおい…

 チャイムが鳴り、みんなが席に着いたり、他のクラスのやつは元のクラスに戻っていく。はぁ…やっと収まったよ。にしてもなんで朝から疲れないといけないんだろうね。


「朝からお疲れさま、神門」

「え?あ、あぁ。ありがとう」


 ララは優しいね。俺の心配をしてくれるんだからさ。


「徹も大変だね。でも、徹ってこんなに頭良かったんだね」

「まぁ、こうなるのが嫌だったから成績かくしてたんだけどな」

「ごめんなさい」

「まぁ、こうなったものは仕方ないから別にいいよ」


 俺がこういったらミラが抱きついてきた。おいおい、ここ学校なんだけど。でも、ミラだからいいけど。他のやつだったら引き剥がしてたと思うけど。だって恥ずかしいし。

 こんな感じで俺は休み時間になるたびにみんなに勉強を教えていた。まぁ、疲れたけどたまにはこんなのもいいかな、なんて思ったりする。新鮮な気もするし。

 にしても人に勉強を教えるのも久しぶりだな。何年ぶりだろうな。

 とこんな感じで全国模試の期間が始まった。まぁ、いつものようにやってれば心配ないんだけどさ。

 家に帰ると理沙が先に帰ってたらしく夕食の支度をしてくれていた。今日は洋食だ。


「お兄ちゃんおかえり。今までずっと学校でみんなに勉強教えてたんでしょ?」

「え?まぁ、そうだよ。でもなんで理沙が知ってるの?」

「だってあれだけ噂になればそれくらい分かって当然でしょ」

「それもそうだな」


 俺も料理はできるから理沙を手伝っている。ちなみにミラとララは由紀といっしょに風呂に入っているはずだ。

 そういえば由紀にもそろそろ学校へ通わせたほうがいいよな。歳的には俺と一緒ぐらいだし。それにそろそろ由紀にも外の世界をもっと知ってもらわないといけないしな。

 料理ができたから俺は風呂場へ向かう。本当は俺じゃなくて理沙が行くべきなんだけどな。だって男の俺が風呂に入ってる女の子を呼びに行くなんておかしいだろ?けど、理沙は夕食の支度をしてるから仕方ないか。俺もすこしは手伝わないといけないし。

 さて、洗面所に着いたし呼ぶか。


「おーい、もう夕食になるからな」

「「「はーい」」」


 俺が声をかけたら三人から返事がきた。さて、戻ろう。こんなところに用はないし。と思っていたのだが突然後ろでドアの開く音が聞こえた。そして後ろから俺の腰に手を回されて抱きつかれた。


「パパおかえり!」

「おいおい、抱きつくなよ。体も拭けてないんだからさ。それに俺はこんなとこにいたくないんだよ」

「まぁまぁ、いいじゃん徹」


 ミラまで俺に抱きついてきた。いい加減にしろと言ってやりたいね。由紀に抱きつかれてるからただでさえ動けないのにミラまでもが俺に抱きついてきたら全くと言っていいほど動けなくなるんだからさ。


「お兄ちゃん?何してる…の…?」

「あ…えっと…その…」

「…お兄ちゃんのバカ!」

「これは誤解だ~!」


 …とこんな感じで俺らの騒がしい全国模試の期間がスタートした。にしても、俺は全国模試の当日まで体が持つんだろうか…心配だなぁ…





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング よろしくお願いします 
こちらもよろしくお願いします↓
キャラクター人気投票受付中!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ