第8話 新たな日常の始まり#3
「はあ…」
俺は朝からため息をついていた。それは何故かって?何故なら俺とミラの間に子ができてるからだよ。普通ならめでたいことなんだけど俺にとってはめでたくないいんだよ。だって俺が寝てる間にミラが俺とやっていたらしくてそれのせいで子ができたんだからな。つまり、俺は望んでいたわけでもないのにできちゃったんだよ?ひどい話だよね。
さて、まだ朝食を食べてないから食べるとしようかな…
というわけでリビングへきたのだが…
「あ、パパだ!パパー!」
「え?あ、あぁ。よしよし」
…見覚えのない子がいるんだけど。確かミラとあの会話してから一時間ぐらいしか経ってないんだけどさ…まさか、もう生まれたの?早くない?つーか今喋ってたよね。歳はだいたい、三歳ぐらいだな。成長も早いのね。
「お兄ちゃん…その子誰?」
「えっと…」
「私と徹の子だよ☆」
ミラが会話に入ってきたけどさ…堂々と言わないでほしいよ。色んな意味で気まずいから。
「お兄ちゃん…これはどういうことかな~…」
「えっと…その…」
怖いよ。包丁を俺に向けないでほしいよ。いや、冗談抜きで怖いから。
「この…変態がぁぁぁ!」
「これは誤解だ~!」
朝からこんな感じで相変わらず騒がしいです。近所迷惑だよね。
とりあえず、妹を落ち着かせた。時間としてはだいたい一時間。
「…で、この子の名前はどうするの神門?」
「うーん、そうだよなぁ…」
ちなみに俺が妹を落ち着かせてる間にララも起きた。起きた時はこの状況に戸惑ってたけど。
「私はお兄ちゃんが決めるべきだと思うよ?」
「私もそう思うな」
「お前は俺を巻き込んどきながら名前も考えてないのかよ」
「だって徹に決めてほしかったし」
おいおい…随分と勝手だな。確かに俺は被害者だが、それと同時に俺は父親だ。やっぱり、俺が決めるべきか…
「ねぇパパ。うちの名前は?」
「考えてあげるから少し待ってね」
「うん、分かった」
うーん、どうしようかな…
「じゃあ、由紀でどうだ?」
「「「おお~」」」
「なんだよ」
「いや、やっぱりお兄ちゃんってネーミングセンスあるなぁって」
「全然思い浮かばなかったけどな」
「うちの名前きまったの、パパ?」
「あぁ、お前の名前は由紀だ」
「うん、分かった」
とりあえず、これで一安心。とりあえず、今日も扉の手がかりを探しに…
「パパ、遊んで」
そうだった。由紀が生まれたから扉探しも大変になってしまうじゃないか。
「ゴメンな。今日は出かけなくちゃいけないんだ」
「じゃあうちも行く」
え?それは流石に困るんだけどなぁ…
「仕方ない…一緒に行くか」
「やったぁ!ありがとうパパ!」
こんなに喜ぶのか。これもこれでいいもんだな。
「よかったね由紀」
「うん!」
さて、準備もできたしそろそろ行くか。
「じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃいお兄ちゃん。くれぐれも遅くならないでね」
「分かってるよ」
というわけで俺は由紀と一緒に出かけた。今日は町を探索だ。こんなのをクラスのやつらに見られたら洒落にならないけど仕方ないという俺もいた。
はたして今度こそ俺は扉の情報を見つけられるのだろうか




