人の話 [千文字小説]
でき婚の話が出ます。
そういった内容なので、ご理解ください。
私は大学を辞めた19歳。
そして、名前は杉内佳南。
学校を辞めた理由は、
彼氏との間にできてしまったから。
遊びしていたつもりだったので、 最初は産む気などなかった。
今も正直、どうなのかと思う。
けれど、せっかく授かったのだから産もうかと思う。
私は彼のことが大好きだ。
そう、大好きで大好きでたまらない。
たぶん彼もそうなのだろう。
子供ができた時に彼に言うのは嫌だった。
今の関係を壊したくなかったから…。
けれど、自分一人で解決できる問題ではない。
だから正直に「子供ができたの」っと私は言った。
そしたら彼はなんて言ったと思う?
「わかった、結婚しよう」
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なんだろうか?
とっても嬉しかった。
子供ができたことで彼と結婚できるなんて…。
私の不安はお節介でしかなかったんだ…。
私はそう思った。
でもそんな幸せを、学校というところは許してくれなかった。
「そうですか…」
「子供が産まれるんですか…」
「なら学校をやめましょうか?」
それは助言などではなかった。
学校としての決定事項…。
私にはどうしようもなく、なす術がなかった。
そう、結婚と子供の代わりに友達を失った。
別に連絡が取れないわけではない。
けれど、彼は学校でも人気な人だったので、私から離れて行った人は多かった。
また、彼も一緒に学校を辞めることになった。
私のことを想って…。
私は別に、先生にも誰にも“誰との子供”とは言ってない。
彼は自分で私との間にできた子供を自慢し、退学になった。
正確に言えば、辞退なのだが…。
なんと言えばいいのだろうか?
彼は俗に言う“自爆”をしたのだ。
私にはそれが重荷になったこともあった。
けれども今は違う。
給料の少ない仕事と、苦労の多いバイトで生計を上手く立てている。
お金はない。苦労はある。
だけども、それが私たちの幸せだった。
もちろん親には大反対された。
「できちゃった結婚など許さん!!」
これが私たちの話を聞いた時の父の第一声。
どこの時代の人だろうか?
今思えばそう思う。
でも、その時に初めて後悔した。
『私が「ゴムを付けて」って頼んでいれば』ってね・・・
それからかな?
親の言うことはできるだけ聞こうと思ったのは…。
とにかく気を付けて?
人は自分のことを想って言ってくれるものなの。
だから、人が話しているときは耳を貸すの。
それの後に、いる情報かいらない情報なのかを判断すればいいのだから。
何が言いたかったのだろうか?
自分でもよくわからない…。