表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
killer girl  作者: zero
5/6

小さな誤解と大きな過ち

それから、何日かが過ぎた。


私がそいつを襲うのは、日課のようになっていて。一度襲ってダメならその日の襲撃はおしまい、というようなルールが、自然と私の中でできていた。


残った時間は、ベッドの上にいたり、彼がいない時にアパートの中をうろうろしたりするだけだった。


時には、彼の方から話しかけてくる事もあった。気が向いた時には、少しだけ会話を交わし、気が向かない時には喋る事もしない。


もう失ってしまった日々が戻ってきたような気がして、少しだけ、その生活に酔いしれていた。


久しぶりに過ごす、普通の生活も楽しかった。


でも、私は襲撃をやめることは無かった。まだ私の心の中に、姉さんに対する罪悪感が残っていたから。


いつしか、私は自分の意思とは無関係に襲撃を行うようになった。もう、別に殺したいという意識は無い。それでも、姉さんに対する罪悪感だけで動いていた。


今日も、一日一度だけの襲撃を終えて、早めの眠りについた。











――また夢を見た。


姉さんが、またどこかへ行ってしまう夢だった。


また追いつけなくて。


また姉さんが振り返った。


その表情は笑顔で。どこか嬉しそうだった。


嫌。


私が姉さんを裏切ったから? 姉さんは私に失望したの?


嫌。


姉さんが、また私の前から消えてしまうの?


そんなの――嫌だ。


私は飛び起きて、何かを呟きながら、ナイフを手に取る。


――ごめんなさい、姉さん。


部屋を出て、彼の元へと向かう。


――ごめんなさい、姉さん。


台所で夕食を作っている彼の背後に立つ。


――ごめんなさい、姉さん。


両手でしっかりと握ったナイフを引く。


――ごめんなさい、姉さん。


彼は私の気配に気づいて、背後を振り返るが、もう遅い。


避けようとする素振りも見せないまま、彼の腹部にナイフが突き刺さる。


――ごめんなさい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ