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killer girl  作者: zero
2/6

リンゴと二度目の襲撃

男は、変な奴だった。当然、失敗したからには警察に突き出されるどころか死さえも覚悟していたというのに、そいつは起きた私に、剥いたリンゴを手渡してきた。


もちろん、拒否はした。でも男は、先程まで私に殺されそうな状況に追い込まれていた癖に、笑顔を向けて、『さっきの状態でも俺を殺せなかったのに、腹が減ってて俺が殺せるわけないだろ?』


その一言に、私は折れて、渋々リンゴに手をつけた。


丁寧に剥かれたリンゴは、懐かしい味がした。私のために剥いてくれたリンゴは、皮肉にも――姉さんが剥いてくれたリンゴの味と、同じだった。


馬鹿な奴。私はそう、心の中でぽつりと呟いた。


少しの間、気づけば私は誘われるように僅かな会話を交わしていた。その言葉の中に、彼は何を見い出したのか、私と喋っているうちにおかしくなったのか、ベッドは空けておくから、好きに使えばいい。出て行くのも好きにするといい。などと、狂った事を言った。


普通、先程まで殺意を向けていた相手を同じ屋根の下に入れたまま一夜を過ごそうなどと思うだろうか。


寝ている間に襲ってやろうか、とも思ったが、彼の笑顔を思い出して、毒気を抜かれたようにそのまま眠ってしまった。










朝、目を覚ますと彼はいなかった。恐らく学校へ行ったのだろう。


代わりに、彼がわざわざ作ってくれたのか、サンドイッチがベッドの上の小棚に置かれていた。


どうして私にこんなに気を遣うのか、その疑問はただただ胸の中で広がっていくばかり。


ダメだ。疑問を生じさせてはいけない。そんなことを考える前に、あいつを抹殺すればいい話だ。


私は、彼に没収されたナイフを探し出し、玄関の前で待ち構えた。心なしか、頭がぼーっとする。でも、そんなことは関係ない。一瞬に全てを賭けなければならないのだから。


数分後、私の予想よりも早く、ドアノブが回った。


開いた瞬間、目の前のそいつに向かって必殺の一撃を繰り出す。極度の興奮のせいか、身体が熱い。


私の攻撃を避けたそいつは、理由は分からないが、かなり疲弊していたように見えた。


これなら行ける! と、何度も私はナイフを振るう。玄関の壁に掠ろうが、何の躊躇いも無く振り続けた。


しかし、頭で思っている軌道に身体がついていかない。ナイフが銀色の軌跡を描く中で、眼前のそいつはただ後退して避け続ける。


息が切れ始める。それでも振るい続ける。


足がふらつく。それでも追い詰める。


アパートの柵にぶつかったそいつの表情に、やっと危惧が浮かぶ。


しめたとばかりに、私はナイフを振り上げて、止めの一撃を食らわせようとした。しかし、身体はそれ以上動くこともなく、視界だけが傾き、地面へと倒れ伏す衝撃と共に、私の意識は途絶えた。


二日で完成させたのでやや雑な所があるかも知れませんがそれも愛嬌と思って見てください(汗

一日一話の割合で挙げていくのでよろしくお願いします!

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